前回は2001年の暮れ、初めてハイダラーバードを観光した時に下町の店舗を訪問した。
今回は滞在地である「ハイテクシティ(Hi-Tech City)」、ガチボウリ(Gachibowli)店にお邪魔した次第である。
混雑する時間帯を避け、午後7時前に店に到着したところ、わたしたち以外には家族連れが1組だけで、狙い通りであった。
しかし我々が食事を開始するころになると、続々と近隣で仕事を終えたとおぼしきビジネスピープルなどが入店し、あっという間に3階建ての3Fフロアの7割ほどが埋まっていった。
全館満席になったら、まさに天文学的な量のコメと鶏とスパイスたちが、お客の胃の中に消えてゆくのだろう。
骨付きと骨なし(bone less)で迷い、この日は骨なしを選んだ。
それにしても早い、注文から5~6分で提供だ。
ビルヤーニーは大量に炊いてこそおいしい料理とされているので、当然たっぷり仕込んでいるのだろう。
個人的には、熱々のビルヤーニーの入った金属製のポットを直で持っているお兄さんの手は火傷しないのかな、と気になった。
なお、わたしにとっての初ハイダラーバーディ・ビルヤーニーは、スィカンダラーバード(Secunderabad)駅前の「Alpha Hotel」だ。
こちらの記憶があまりにも鮮明だったため「Paradise」とごっちゃになっていたが、一口、炊き立てのチキン・ダム・ビルヤーニーをいただいて、その容赦ないが、決して不快ではない爽やかな辛さと、フォークでほぐれるチキンの柔らかさに触れると、そんなことはどうでもよくなった。
そう、まさに「ruled my senses」であったよ。
我々が訪れた日は、偶然テルグ映画の新作「Liger」の封切り日だったようで、こんな感じの卓上プロモーションやポスターが随所にあった。
たしか、あのマイク・タイソン(Mike Tyson)さんも出演しているはずだ。
ASKSiddhi(アスクスィッディ)関連記事:
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なおメニュー表では、「Paradise」の歴史やビルヤーニーのおいしさの秘密などを学べるようになっている。
食後はもちろんデザートである。
ハイダラーバードと言えば「Double ka Meetha」。
これはポルトガル伝来のパオ(pav、パン)のことを、地元の人々は「double roti」と呼ぶことに由来する。
いわゆるパンプディングである。
いつか食べてみたかった、ほのかなローズシロップの香る、優しい甘さの温かなスイーツをほおばり、感無量だった。
誕生秘話は諸説あるが、ニザムかナワブかのムガール皇帝が、料理人に作らせたとかいう話を目にしたことがある。
あれだけ山盛りのビルヤーニーも、デザートも、あっという間に平らげて、お腹も心も、そしてお財布も満足である。
時代のニーズにいち早く反応し、テイクアウト&デリバリー専門カウンターが新設されているのはさすがである。
この「I ♡ 〇〇」は、今やプネー各所にも出現している。
「Paradise」、おまえもか。
なお、「Paradise」に行くと決めてから道中、食事中、帰路でも、ずっと「Coldplay」の「Paradise」が頭の中でエンドレス再生されていたことを申し添えておく。
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