インドは暑いだけの国ではない:カーギル峠でマイナス16.6度を記録
Posted on 25 Jan 2016 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
ある一面だけを見て、その国を決めつけることはできないよ。
*The photo from NDTV, where the article is referenced.
わが故郷、九州までも含めた、日本の広い地域が寒波に見舞われ、数十年に一度という積雪を記録しているという。
雪景色をこよなく愛するわたしにとって、この季節に日本にいられないのは、他のどの季節を逃すよりも惜しい気持ちがする。
しかし、「けどインドって、いつも暑いんでしょ?」
この問いへの答えに、わたしが常に窮してしまう理由が、この記事で少しでも伝われば。
本日付のプレス・トラスト・オブ・インディア(Press Trust of India)が報じているところによると(リンク先記事はNDTV)、ヒマラヤ山脈中ラダック県、カーギル戦争(Kargil War)の舞台となったカーギル峠では、最低気温がマイナス16.6℃を記録する強烈な寒波が襲っている。
インド気象庁(India Meteorological Department)によると、カーギルのあるジャンムー・カシミール(Jammu and Kashmir)州では乾燥した気候が続き、気温が下がり続けている。
しかし今後数日から数週間以内に、雨または雪が降る可能性が高いと予報している。
インド北部では寒波に伴う濃霧が発生して、列車や航空機が遅延、首都デリーでは、23日の最低気温が、今年最低の4.6℃を記録した。
世界中から観光客を集める砂漠の町、ウダイプルで4.8℃を記録したラジャスターン州では、14本の鉄道に遅れが報告され、交通機関が混乱している。
パンジャーブ州でも濃霧の影響により気温が低下、パキスタン国境に近いアムリトサルでは1.4℃と例年を大きく下回る最低気温を記録、ハリヤナ州でも、各地で4.7~7.6℃を記録した。
ジャンムー・カシミール州など、高地にあり年中を通じて冷涼な気候にある地域であれば、それなりの備えはあると思うが、そのふもとにあたるパンジャーブやハリヤナ、デリーで5度台という気温は、長く厳しい暑季に備えて熱を逃すような構造となっている建物、そして路上生活を余儀なくされる多くの人々のことを考えると、体感としての寒さは圧倒的ではないか。
デリーなどでは、ヒーターを置いている家庭が多いというのは、じゅうぶんに理解できる。
確かにインドの大部分は、熱帯もしくは亜熱帯に属し、日本の「夏以外の季節」よりも暑いと言ってよい。
けれども日本でも真夏になると、湿度ねっとりじっとりが加わった上で40度超えたりしているじゃないか。
そんな日は、「プネでも真夏(4月~5月)に40℃に達することはあるけど、湿度がないからカラっとしていて、むしろ過ごしやすいんだぜ」ってこと、そして、このニュースのことを思い出してもらえたら、幸いだな。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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