インド人の92%が、気候変動を大きな脅威として実感

 

Posted on 24 Jan 2016 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

毎年モンスーン季が到来するたび、「今年は降るか、降らないか」とやきもきする、わたしです。



*Photo from Your Story, where the article is referenced.

気候変動の影響を、日々の生活の中で、まともに体感している国のひとつは、インドと言えるかもしれない。

17日付のプレス・トラスト・オブ・インディア(PRESS TRUST OF INDIA、※リンク先はYour Story)が報じたところによれば、インド人の大部分が、気候変動を大きな脅威であると受け止めているようだ。

独立した市場調査会社イプソス(Ipsos)が、昨年12月にフランスのパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)を機に、24カ国を対象に実施した調査によると、インド人の気候変動に対する受け止め方は7番目に重く、92%の人がその脅威を実感していると回答した。

その要因として同調査結果では、「インドは気候変動や地球温暖化の影響を強く受けやすい地理的特徴がある。しばしばこれは土砂崩れ、地震、季節外れの豪雨による洪水、また異常高温や干ばつといった、突然の気象条件の激変といった形で表れる。人々が環境の変化を直接、肌で感じ、危機感をいち早く抱いているのも不思議ではない」と分析している。

昨年12月12日、気候変動の抑制に向けて条約締結国全195カ国が調印したパリ協定では、二酸化炭素排出量の削減に向けて全世界が一丸となって協力する約束を改めて取り付けた。

地球規模の問題が身近な生活に直結するインドでは案外、安全で信頼性の高い市内公共交通機関やクリーンな代替エネルギーの導入と普及が、わたしが思っているよりも早く進むかもしれない、いや、そうでなければならない。

ただし同社の調査によると、主にインドおよび南米の人々は、(パリ協定が目標とする)二酸化炭素排出量の削減は達成できるものと楽観視する傾向にある一方、石油燃料やガスの使用を控えることが、同排出量の削減に役立つとは思わないと考える人が比較的多い点も注目だ。

たとえば、わが街プネは、昨年のモンスーン季(通常は毎年6月中旬ごろ~9月中旬ごろ)の少雨が、市自治体(Pune Municipal Corporation)の判断による断水という事態を招き、直に生活への影響を受けている。
そうでなくても、モンスーンの少雨化と、雨季以外での豪雨と洪水、冬季の高温化が、ここ数年特に目立って報じられている。

インドでは古代から、「(良いことも悪いことも)何が起きようが、それは神が決めたこと(であり、人間は受け入れるしかない)」といった考えがあるが、この気候の変化は神のおぼしめしなどではなく、人間が招いた災いであることに、多くの人がきちんと気づいていてくれたらと願う。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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