容姿に強烈なインパクトのある難病で生まれた女性とその家族の物語

 

Posted on 21 Oct 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

人生は自分だけのものであり、誰への遠慮も要りません。



色々な言い訳を考えついて、やりたいことがあるのに先延ばしにする人生を送っている、わたしを含めたすべての人に知って欲しい話題を、「The Better India」が掲載していたので、自分への戒めも兼ねて要約したい。

Abandoned Due to Rare Genetic Disorder, Nisha’s Life Was Transformed By a Mother’s Unconditional Love

ベンガルールの医師、アロマ・ロボ(Aloma Lobo)さんと夫のデイヴィッド(David)さんは、3人の実子と2人の養子を育てながら、生物的な親に捨てられた子供たちを預かり、里親が見つかるまで保護する活動をしていた。
そんな30年ほど前、「生後2週間の女児が新たに保護された」という知らせを、勤務中の同僚から受けた。

急いで赤ちゃんの様子を見に行くと、その子は魚鱗癬(ぎょりんせん)という、100万人に1人という非常にまれな難病を持って生まれた子だった。

肌が肥厚しうろこ状に崩れ、片目に視覚障害があり、瞼がない状態で生まれたため、寝ていても目が見開いたままの、この子を一目見たアロマさんの次女はすぐに、「ママ、この子をうちに連れて帰ろう」と言った。
その時アロマさんは、じっくり時間をかけて、病気のことを子供たちに説明することを心に誓った。

このようにしてニーシャ(Nisha)さんは、温かなロボ一家の6番目の末っ子として迎えられた。

小さなニーシャさんは、怪我や出血を起こしやすく、口から飲み物を飲むことが非常に難しい。
また、体温をうまく調節できないため、常に気を配り、またクリームやオイルを身体全体に塗布して常に肌を保護する必要があった。
肌が非常に敏感なため、使うおむつの素材にも気を遣うが、子供を愛するどの親でもそうするように、両親は無条件の愛を注いだ。

家族はすぐにニーシャさんをかけがえのない一員として受け入れたが、一歩家庭の外に出ると外見上の特徴から、偏見に晒されることになる。
「罰が当たった」などとロボ夫妻の陰口を言う人(養子に偏見を持つ一定数の人が存在する)や、魚鱗癬に伝染性があるかのように避ける人も多くいた。
またニーシャさんを幼稚園に入れようとした時、「あなたはこの子の状態を理解しているかもしれないが、他の教諭にどう面倒を見ろと期待されるのか」と面と向かって言われることもあった。

幼いころから、子供同士、そしてその親たちからの不当な差別を受けてきたニーシャさんと家族は、共に様々な葛藤をしながらも、誰もが成長とともに育む健全な精神と人生への希望を忘れなかった。

ニーシャさんがインターナショナルスクールに入学したころから、周囲の状況が変化した。
ニーシャさんのように特別な配慮が必要な生徒にも分け隔てなく平等な機会が与えられるこの学校では、相手との間にどのような相違があろうとも、互いに尊敬と尊厳を持って接することを教わった。
学校では、何人も親友ができた。

そのようにして次第にニーシャさんも、自分にできることを探し、行動に移すようになる。

12歳の時、胸部に大きな腫瘍を持って生まれたため捨てられ、手術費用の捻出ができなくて困っている赤ん坊のため、率先して慈善ブックフェアを開催して12万ルピーの資金調達に成功したこともある。
おかげでこの赤ん坊は助かり、後にアメリカに住む家族に養子として迎えられた。
また、病気のことを知らない人が、好奇のまなざしを送ってくることを熟知しているニーシャさんは、兄が作ってくれた「聞きたいことがあるのなら尋ねて」というカードを携帯していたこともある。

内向的ながら自信を持って人生を歩むニーシャさんに対して、例えば飛行機の中であからさまに「降りろ」と言ってくる男に遭遇したこともある。
この時、客室乗務員はニーシャさんではなく苦情を言った客に降機を勧めたという。

ニーシャさんと家族の歩んできた人生は、凝り固まった一般社会の先入観をほぐしていくものに他ならない。

ニーシャさんと家族のストーリーを紹介する動画をVicksが制作、フェイスブックのキャンペーンサイトに公開したところ、48時間で500万回以上の再生数を達成している。



 

母親のアロマさんは現在、インドの養子縁組を調査する期間「Central Adoption Research Agency(CARA)」で会長を務めている。

正直に打ち明けると、ニーシャさんの写真を初めて見た時にはとても驚いた。
また、ニーシャさんと家族は、この記事ではとても伝わらない苦しみも多く経験してきたのだろうと察している。
しかし、信じられる家族や友人のサポートと、それをしっかり受け止める大きな心があれば、人間は計り知れない可能性を手にすることができる。

本日アクセスが多かった記事
ビハール州パトナとブッダガヤーを訪問して:まとめ 14 Oct 2018

プネーの国際交流ティーパーティーは10月21日(日): Meet Me at Pune International Tea Party on 21st Oct. Sunday 16 Oct 2018​​​​​​​
​3 ポルトガル鉄道のインターネット事前切符予約 26 Oct 2016​

インディラ・ガーンディー国際空港ターミナル3の様子、機内食、その他あれこれ:写真編 13 Oct 2018​​
Trip to NIT Patna: The Report 15 Oct 2018

 





    



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments

Leave a Comment..

Name * Email Id * Comment *