ベンガルール国際空港にインド国内初の顔認証システム導入か

 

Posted on 07 Sep 2018 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

中国などでは一部の空港に導入されているという記事を目にしたことがあります。



インド国内の空港、少なくともわたしがよく利用しているムンバイーのチャトラパティ・シヴァージー国際空港やプネー空港は、依然としてよく勝手を知らなさそうな警察官に、ターミナルビル入口で「セキュリティチェック」と称してパスポートと搭乗券のチェックをされるので、このペーパーレス時代にもかかわらず、念のため「Eチケット」を「印刷」するという珍妙な行動を強いられている。

ところがさすが、「東洋のシリコンバレー」としてインドを代表するITシティ、ベンガルールのケンペゴウダ国際空港では、搭乗手続きをペーパーレス化するため、来年初めから一部の航空会社の乗客に対し、顔認識装置を導入する予定であると発表している。
「One India」電子版が伝えた。

Paperless boarding at Bengaluru airport with face recognition from 2019 - One India



 

今回の措置は、インド政府が主導して推進している旅客業全般のデジタルアップグレードプロジェクト、「DigiYatra」の一環として導入されたもの。
しかもバイオメトリクス認証技術提供は、近年インドとの間でIT取引が伸びていることで知られ、実際多くのインド企業の進出およびインド人技術者の誘致が進んでいるポルトガルのリスボンに拠点を置く「Vision-Box」というのも象徴的だ。

このバイオメトリクス認証措置は冒頭に挙げたように、現行で運用されているように搭乗券やパスポート、その他身分証明書を繰り返し提出する必要性を排除し、空港内複数箇所にカメラを設置して乗客の顔認証を行うというもの。
また「DigiYatra」では、インド人や在住者を中心に発行されている個人識別情報登録証、「アーダール・カード(Aadhaar Card)」の情報と携帯電話番号を利用して、よりスムーズな旅行体験を提供することを目指している。

バイオ認証は第1段階として2019年の第1四半期までに、ジェット・エアウェイズ(Jet Airways)、エア・アジア(Air Asia)、スパイス・ジェット(SpiceJet)の乗客を対象に導入される。
予定通りに実現すれば、ケンペゴウダ国際空港は完全にペーパーレスな空の旅を保証するインド国内初の空港となる。

ケンペゴウダ国際空港はカナダ在住インド人資産家プレーム・ワスタ(Prem Watsa)氏が所有するFairfax社が54%、カルナータカ州政府とインド空港当局(Airports Authority of India)が、それぞれ13%ずつ出資している。
 





          



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments