ケーララ州コーチに、人工知能を駆使した全自動スーパーが登場
Posted on 06 Sep 2018 21:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
プネーの場合、スーパーのレジ係はどんなに忙しい時でも3~4人程度しか出てこないので、その人たちが全員品出しや在庫管理に回ってくれれば失職することもないのではないかな。
本州を中心に台風21号が猛威を振るっていた5日、ドミノピザの配達員を撮影したものと見られる、以下のツイートが拡散されていた。
上のツイート以外にも複数の方々が、あのひどい風の中でも配達に駆り出され、危うく飛ばされそうになっている方の映像をアップしており、ある方は「フードデリバリーはその性質上、大雨や暴風、雷などの悪天候の時のほうが売上がよい。注文した人は、ずぶ濡れになって自宅に到着した配達員を見て、初めて自分のしたことに気づくのだ」と指摘されていた。
わたしも、そのような日に注文してしまう傾向がないとは言い切れず、反省すると同時に、世界が経済と利便とのバランスを取るべき緊急事態が迫っていることを改めて悟った。
インドも例外に漏れず、配達フードビジネスは花盛りだ。
例えばネットスーパーの「Big Basket」などは、注文したら送料なしで半日以内のスピードデリバリーを約束している。
このような便利なサービスには、相当な負担がかかっているはずだ。
それでもマンパワーの国インドでは、そう簡単に無人配達やロボットオペレーションに移行することはないのだろうな、と思っていたら、斜め上を行く完全無人スーパーが、ケーララ州を代表する都市コーチに登場したことを、「Hindustan Times」電子版が伝えていた。
Is Kochi’s Watasale store the future of retail? - Hindustan Times
「Amazon Go」のような人工知能、コンピュータビジョン、ディープラーニング、センサーフュージョンといった最先端のテクノロジーを駆使した店舗「Watasale」では、顧客はあらかじめスマートフォンにインストールしておいた専用アプリを店頭のQRコードにかざしてから入店すれば、好きな商品を次々と買い物カゴに入れるだけでよい。
ちょうどネットショップを利用している時のように、商品の金額が自動的に計算されて手元のアプリに表示される。
気が変わったら棚に戻せば、再計算される仕組みだ。
必要なものがすべて揃ったら、そのまま店を出てしまえば、買い物した金額がアプリ上に自動課金されるので、後は自分が選択した支払い方法で決済する。
しかも、店舗にどんな商品があり、どの商品の在庫が切れているかなどの詳細も随時アプリ上で確認できるので、わざわざ買いに行ったのに欲しいものが品切れしていた、というようなこともない。
もちろん万引きもありえない。
スペースも最小限で済むとあって、現在「Watasale」はコーチでの成功を見て、デリーやベンガルール、そしてインド全土の主要都市に拡大したいとしている。
冒頭に記したように配達だけに頼るのではなく、あくまで客が足を運ぶスタイルというところはよいと思う。
プネーでもそうだが、スーパーに買い物に行って何がストレスかというと、欲しい商品が日によって売っていたりいなかったりすること、賞味期限が切れたものが平気な顔をして陳列されていること、そして何と言ってもレジ係の効率が悪く、おまけに割り込み人間だらけなので、5分の買い物に会計の列に20分並んでいた、なんてことが日常茶飯事なところだ。
この「Watasale」はこうした問題を一挙に解決しそうで、ということは悩んでいたのはわたしだけではなかったのだ。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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