377条廃止、ある若い男性の手記

 

Posted on 08 Sep 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

勉強不足のわたしですが、ひとつ言えることは、性的マイノリティは限りなく定義が曖昧になってきているのではないかな、ということです。



9月6日にインド最高裁判所が待望の判決を下し、拍手と歓喜で受け入れられた。

インド最高裁、同性同士の性行為に合法判決 - BBC日本語版

「The Better India」ではこの大きな変革を受け、ゲイであることを告白した若い男性とその家族のストーリーを紹介していた。

Queer, Here and with No Fear: A Son’s Journey of Acceptance Is Moving Indians to Tears! - The Better India

インドにおいてLGBTQA+コミュニティ(Urban Dictionaryの定義によると、【Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, Queer, Asexual, the + alludes to other sexual orientations like Pansexual. [レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、性的マイノリティ、性的無関心、その他パンセクシュアルを含む他の性的指向を指す]】)はその存在を認め、支持され、受け入れた。
同性愛は犯罪ではなく、すなわち同性愛者は犯罪者ではなくなる。

「性的指向は、あくまでその人の一部を成すものであり、そのものではない。自己を受け入れられるようになるまでにかかる時間は人それぞれ異なり、したがって自己認識と自らの個性的特徴を認知するまでの道のりも様々だ」で始まる、知的なこの若い男性が綴ったFacebook投稿を要約しながら、インドにおけるLGBTQの人々の直面している現実と、この判決がもたらす意味について考えてみる。



 

(要約はじめ)
私はもはや「犯罪者」などと指差されることはなくなり、思い切り「Gay」(一般的な「ゲイ」の意味と「陽気な気持ち」の意味の両方で)になった。

2年前まで、私は心の中に棲む2人の個人がせめぎ合い、自分が何者なのか分からなくなっていた。
しかしコミュニティ(要約者注: 様々な性的指向を持つ人々の集まりか)との交流を通じて自己探求を始めた。
数年前、親友に本当の自分のことを打ち明けた時、心から理解してもらえたことをきっかけに、さなぎが蝶になるように人生が変化し始めた。
それからは大学の同級生など、出会う人には話すようにしたが、温かな反応に心が癒されていくのを感じた。
ただし、比較的保守的な暮らしをしてきた両親にだけは、なかなか打ち明ける勇気がなかった。
最終的には、両親からも理解を得られた私は幸運だと思う。
ただし両親は「子を持つことができない」という生物学的な点で、私が社会的に不利な境遇に置かれるのではないかという懸念を持っていた。
私はその気持ちを理解し、両親に時間を与えた。

6日、帰宅した私を両親は「息子よ、おめでとう。合法だよ」と言いながら固く抱きしめ、心から祝福してくれた。
それまでLGBTについて何も知らなかった母だが、周囲の人に以前よりも一層の関心を払うようになった。
父は公務員なので、それまで法律上「存在できなかった」私のことを、全面的に支持することにためらいがあった。
これで両親は、心から私の存在を認めることができるのだ。
「お前のために花嫁候補を探さなくてもよいのは助かるよ(Acha hai abhi koi ladhki ka rishta leke nahi aayega)」と冗談まで言えるようになった。

次のステップは、インド社会で共生していくための啓発だ。
同性婚ができるようになる日が来るまでには、まだまだ長い道のりがあるだろう。
ホモセクシュアルがヘテロセクシュアルに無理に合わせる必要なく、あるがままで暮らせる社会を目指している。
同情を求めているのではなく、安全かつ友好的な、調和のある暮らしができればよい。
意識の欠如、偏見、無視、憎悪を恐れて、表に出てこられない人たちが大勢いる。
LGBTQA+について正しい知識があれば、相手を傷つける行動を避けられる。

(要約終わり)

「LGBTQA+」の定義を見ていても、もはや何をもって「性的マイノリティ」を指すのかあいまいになってきている。
つまり彼が言うように、生物学的な機能という点以外は、個性の一部となりつつあるように思える。

多様性を内在する国と称されるインドの力が試される。
 





    



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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