現代生活において、お金は必要なものだし、たくさんあればあるほど便利で快適で、楽しく、安心した暮らしが保証されるように思える。
時にわたしたちは、お金の多寡で人生の価値だけでなく、人の価値まで測ろうとしてしまうことすらある。
そんな時に、アイスバケツの冷水をぶちまけてくれるのもまたインドだ。
先月の「Hindustan Times」電子版が、わずかな収入で4人家族を養う西ベンガル州の男性が、それでは一般的な意味の真逆で飽き足らずに、貯めたお金で地域の教育に貢献していることを伝えていた。
Daily labourer donates land for midday meal in school - Hindustan Times
この男性は西ベンガル州プルリア(Purulia)県にある地区にある、ビンドゥイディ(Binduidi)村に住むジューカ・バウリ(Jhuka Bauri)さん。
時には仕事にありつけない日もあったという、経済的に厳しい状況にありながら、ジューカさんは学校に隣接して所有する土地の約半分にあたる6デシマル(1デシマル435.5平方フィート)の区画、およそ10万ルピー相当を、生徒数90名の学校用地として寄付した。
ジューカさんがこの土地を寄付したのは、食堂がないため、いつも灼熱の日光や雨風に晒されながら給食を取っている子供たちを見かねてのこと。
「昔は学校で給食など出なかったから、これでも幸運なのかもしれない。しかし貧しさから、私は学業を続けることができず、息子も同様の運命を辿ったので、そうした子供を少しでも減らしたかった」
ジューカさんが土地を寄付した、この村のビンドゥイディ(Binduidi)小学校の校長は、この土地は食堂の建設だけでなく、給食に用いる野菜を栽培をするにも十分な広さだと語っている。
学校では近隣住民に、食堂建設費用の募金を呼び掛けている。