タミル・ナードゥ州にも州内初のトランスジェンダー専用トイレ、賛否両論

 

Posted on 05 Jun 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

苦悩しながらも、不器用な低空飛行ながらも、インドは変わろうとしています。



※写真はベンガルールで見かけたタミル風ヒンドゥー寺院
 

タミル・ナードゥ州でもティルチー(Tiruchi)の中央バススタンドに、トランスジェンダー専用トイレが設置されたことを、「The Times of India」電子版が伝えていた。

Now, an exclusive toilet for transgenders in Tamil Nadu - The Times of India

トイレ内には洋式タイプと小さなバケツとマグがついたインド式タイプの個室が用意されているようだ。

他州での事例と異なり、このトイレはひっそりと設置され、一般開放された。
利用には料金はかからず、清掃員1名を配属している。

ティルチー自治体(Tiruchi City Corporation)によれば、専用トイレの設置は長年にわたるトランスジェンダーからの要望を受けて設置された。

一方で、ティルチーに住む一部のトランスジェンダーたちは、こうした専用トイレの存在がさらなる差別を招くだけだと感じている。

「タミル・ナードゥ州トランスジェンダー福祉評議会(Tamil Nadu Transgender Welfare Board)」の評議員を務めるカジョールさんは、次のように指摘する。
「トイレ設置の背後にある意図はよいものだが、実際には私はこれまでも、公衆トイレの利用に問題を抱えていたことはない。わざわざトランスジェンダー専用トイレと銘打つことが、かえって我々を排除することに繋がってはならない」

別のトランスジェンダー、ガヤトリさんは、「タミル・ナードゥ州政府は専用トイレの設置よりも、我々トランスジェンダーが必要とする教育、住居、雇用機会の提供にもっと力を入れて欲しい」と訴えている。





  



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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