コルカタからラダックへ距離3,000キロ、高低差5,300メートルを走破したサイクルリクシャーワーラー

 

Posted on 17 Apr 2018 21:00 in トラベル・インド by Yoko Deshmukh

世の中には偉大な人であふれています。写真はデリーのメトロ駅前で見かけた「ラストマイル」を繋ぐサイクルリクシャー。



3月末に、バイクでマハーラーシュトラ州プネーも経た6回目のインド一周旅を終えられた写真家の三井昌志(みつい・まさし)さんは、かつてサイクルリクシャーで日本を一周されていたこともある。
そんな三井さんを思い起こさせるような過酷な旅を、2014年にサイクルリクシャーで実践し、またその行程を自身で撮影していたコルカタ人がいらっしゃったようだ。

コルカタからラダックまで、険しいヒマラヤ山脈が行く手を阻む3,000キロの道のりを、68日間かけてサイクルリクシャーで走破したのは、コルカタっ子で職業もずばりサイクルリクシャーワーラー(サイクルリクシャー引き)の44歳、サティエン・ダース(Satyen Das)さん(旅行当時40歳)。
「The Times of India」電子版によると、サティエンさんが自身の旅路を追ったドキュメンタリー映画、「Ladakh Chale Rickshawala(リクシャー引きよ、ラダックへ向かおう)」が、インド国内の優れた作品を審査する第65回「ナショナル・フィルム賞(National Film Awards)」の探検・冒険(Exploration/Adventure)部門の最優秀賞を受賞した。

Film on rickshawala’s Ladakh feat feted - The Times of India

コルカタを出発し、ジャールカンド州、ビハール州、ウッタル・プラデーシュ州、ハリヤーナー州、パンジャーブ州、そしてジャンムー・カシミール州シュリナガルを経た、高低差実に5,300メートルを超える過酷な道のりを、途中高山病になりかけながらも、ひたすらカメラを回し、ひとりペダルを漕ぎ続けたサティエンさん。



 

このストーリーを作品に仕上げたのは、ある日の仕事帰りに、サティエンさんの漕ぐサイクルリクシャーを乗客として利用したコルカタのテレビ局、「Naktala Agrani Sangha」プロデューサーのインドラニ・チャクラボールティ(Indrani Chakraborty)さん。

サティエンさんの壮大な旅の計画を知ったインドラニさんは、「サティエンさんのラダックへの旅に同行取材する予算はなかったので、ハンディカムでの撮影方法を教えた。途中、(ウッタル・プラデーシュ州)ヴァラナシを過ぎたあたりでカメラが故障し、スタッフをサティエンさんの居場所まで急行させて修理するなどのハプニングがあった」と説明する。
インドラニさんは数名のテレビ局スタッフと、最終目的地のラダックでサティエンを待ち受けたという。

サティエンさんの旅行資金はテレビ局のほか、インドラニさん個人や、サティエンさんのサイクルリクシャーを普段から利用している乗客らが寄付したという。

最後の難関、シュリナガルとレーの間に立ちはだかる山脈、ゾージ・ラ・パス(Zoji La Pass)の悪路では、重量8キロの身の回り品のうちほとんどを放棄せざるを得ないほどの過酷さを極めた。

世界一危険な道路 『ゾージ・ラ・パス(Zoji La Pass)』

それでも、医療措置を一切必要とせずに走破できたのは奇跡的であるとされている。

旅を終えたサティエンさんは、現在も本業のリクシャーワーラー稼業を続けている。

サティエンさんが旅の途上で地球温暖化についての配慮を呼びかける動画

 





          



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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