ヴィーガンを撲滅?ならば、まずインドに来てもらおうか

 

Posted on 04 Apr 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

ヴィーガン生活も楽しくなりそうなごちそうを、本日プネーで発見しました。写真のヴィーガン寿司です。詳細は明日以降のASKSiddhiをお楽しみに。



今朝Facebookで、次のような記事をどなたかが共有されていた。

「徹底的に潰します」堀江貴文氏が絶対菜食主義者に宣戦布告 - Livedoor News

ヴィーガンというより菜食主義者が数億人規模で存在するインド抜きに、この「宣戦布告」は語れないだろう。

ヴィーガンの是非について、わたしは無知のため色々とコメントできる立場にないものの、ヒンドゥー菜食主義者(ヴィーガンとは異なり牛乳や乳製品は摂る)が多数派のプネーに暮らして15年、肉類は週に一度、食べるか食べないか程度で、普段のおかずに肉が入らないことの方が多い生活を送っていることもあるが、肉はあってもなくても食事はおいしいし、少なくとも毎日は摂取する必要はない、という結論に至っている。

ただし生まれた時から菜食を貫く友人知人たちを見ていると、ちょっとしたことで体調を崩しやすかったり、骨折などの怪我をしやすかったりする人が多いのも事実だ。
菜食を含めて殺生のない食事はあり得ないし、人類進化の歴史から見ても自然に反する。

完全に抜くのではなくて、例えばイスラーム教のハラールのように、命をいただく動物の苦痛がないような殺し方を追求したり、むやみな乱獲をしないようにしたり、不自然な養殖を控えたり、食肉と同じ味や栄養価の代替肉の開発に力を入れたりして、「地球上の生物が食べ物を分かち合う」という概念の普及が大切かもしれない。
そうした意味では「(大量生産だけを目的に劣悪な環境で飼育された養殖ものの)安い肉ではなく、(飼育の方法が倫理的なものであることが確認できる)高い肉だけを食べる」というように「()」内の注釈つきを条件とすれば、堀江氏の主張は、あながち的が外れてもいないのかもしれない。

そんな本日、「The Better India」では、完全ヴィーガンの食品を考案する弱冠21歳の男性について紹介していた。

This 21-Year-Old Vegan Is Bringing Affordable Plant-Based Milk to India! - The Better India

ベンガルールに住む21歳の男性、アビャイ・ランガン(Abhay Rangan)さんは2010年、両親が結婚記念日を機に動物愛護の観点からヴィーガン宣言をしたことをきっかけに、妹とともにヴィーガン生活を送ることになった。

アビャイさんは2013年に動物の権利を保護する団体、「SARV(Society for Animal Rights and Veganism)」を設立、以来、国内10都市で250回以上にもわたって実施した啓発キャンペーンが功を奏し、10代の若者を中心に多くの会員を獲得した。

そこでキャンペーンだけでなく、手頃な価格で入手できるヴィーガン食品を開発し、流通させることを目的とするブランド、「Veganarke」を母親と共同設立し、現在はココナッツミルクから作った、チャーイやコーヒーにも使えるヴィーガン用ミルクやヨーグルトをはじめ、様々な製品を製造・販売している。

この記事の中で特に注目したいのは、ヴィーガン用ミルクやヨーグルトは、通常の乳製品と異なり、暑いインドの気候でも冷凍や冷蔵せずにほぼ1カ月間は賞味できるという点だ。
このためインド国内で立ち遅れているコールドチェーンに乗せる必要がないので、より幅広い流通が可能となる。
ジュガール」の一環と呼んでもよいのではないだろうか。

アヴャイさんの共同経営するヴィーガン販売ポータル
GoodMylk





        



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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