まるで夢のような夕餉となった。
2018年4月4日、プネーに住む日本人の友人で、料理上手なことで定評のある女性、香心(かこ)さんが、かねての夢だった「巻き寿司屋」をついに開業した。
心躍らせて、首を長くしてこの日を待ち望んでいた。
その名も「K's Delicatessen(ケーズ・デリカテッセン)」。
価格はオープン記念のプロモーションということで、ノンベジが300ルピー、ベジが200ルピーという破格の安さ(※今後、価格変動の可能性もあり)。
しかもカルヤーニー・ナガル(Kalyani Nagar)とコレガオン・パーク(Koregaon Park)にお住まいであれば配達も承っているという。
もちろん、それ以外のエリアにお住まいの場合も注文でき、指定された場所に受け取りに行くことができる。
※メニュー。写真をクリックすると拡大表示します。
はやる気持ちを抑えきれず、さっそくノンベジ全3種類(各8スライス、計24スライス)を前のめりで注文したわけである。
それでも1,000ルピーに満たないなんて。
さらにこの日はオープン初日記念ということで、「試食用に」と称するには大盤振る舞いすぎるベジ寿司1パックとショウガの酢漬けも特別サービスしてくださった。
まずは「Tuna Salad Roll」をいただく。
シーチキンとカニかまぼこが入った、プネーに住む日本人としては豪華極まりないコンビネーション。
醤油がなくてもおいしくいただける味つけだった。
続いて「Prawn Mayo Roll」へ。
わが家に居候中のインド人大学生が虎視眈々と狙い、あっという間に平らげていくのを慌てて横取りした。
さすがは日本人の手によるもの、新鮮で、下処理がきちんとされた臭みがまったくないエビはプリプリで、こちらもマヨネーズによく絡んでいる。
醤油(添えてある)をほんの少しつけて、やはり添えてあるワサビとともに至福のひとときを味わった。
そして、さすが香心さん、ローカライズ仕様な「Lemon Chicken Roll」なる巻き寿司もちゃんと用意している。
こちらはさっぱり味つけされた柔らかいチキンが、絶妙な炊き加減の酢飯によく合い、口の中であっという間に解けてゆく。
最後に、いただいたベジ寿司、「Spring Sushi Roll」を味わって心底驚いた。
メニューの記載を見て単なるサラダ巻きだと思ったあなたは、きっと裏切られることだろう。
新鮮な野菜とピーナッツの歯ごたえが楽しく、添えられた絶妙な味つけの胡麻ソースにぴったりで、寿司の概念を覆すコクと味わいに仕上がっている。
いずれも酢飯を含めて全体的なバランスが取れた味で、期待以上においしかった。
作り手の心がこもった、じんわりと温かな家庭料理の味なので、プネーに単身赴任されている方にはぜひ味わってもらいたい。
なお香心さんによれば、日本で一般的に考えられている巻き寿司より、ご飯の量を少し多めにしているということだ。
その割には、わが家の場合、食べ盛りのインド人大学生1名を含むインド人2名、日本人1名の計3名で、4箱計32スライスをあっという間にペロッと平らげた。
我ながら、驚きを禁じ得ない。
2018年4月現在、水曜日と金曜日のみ営業している。
立ち上げ当初のため一人で切り盛りしているので、注文は事前に、少なくとも1日前にはしておこう。
「K's Delicatessen(ケーズ・デリカテッセン)」
注文は専用電話番号、香心(かこ)さんまで: 9325524206(WhatsApp可)
見よ、豪華4種を。
左上から時計回りに「エビマヨ」、「スプリング(ベジ)」、
「レモンチキン」、そして「ツナ&カニかま」。
「エビマヨ」をさっそくクローズアップ。
右上にはワサビが添えてある。
こちらは「スプリング(ベジ)」。
ナッツと胡麻の風味が織りなす、驚きのコクと深みが、あなたを待っている。
こちらはレモンチキン。
丁寧に作られた家庭の味がする。
「ツナ&カニかま」。
彩りがとても美しい。
最後にもう一度メニュー(※写真をクリックすると拡大表示します)。