ともに考え、想像する:ムンバイーのスラム街で、若者のメンタルヘルス向上に取り組む人たち

 

Posted on 22 Mar 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh



3月18日夜更け、健康そのものに見えた最も近しい親族のひとりが、何の前触れもなく襲った心臓発作により、47歳という若さで他界した。
わたしたち家族、特に42歳の若さで未亡人となった義妹と、ともにまだ学生の2人の娘たちを突然見舞った悲劇の衝撃は大きく、命のはかなさと人生の予測不可能さを思わずにはいられない。

今後のことなど、家族として考えるべき課題が雪崩のように押し寄せて山積みになっており、呆然とする暇もないのだが、それでも声を大にして言いたい。
本当にやりたいことは、ためらわず、なりふりかまわずにやること。
人生はいつ幕を閉じるか、本当に誰にも分からない。
あまりにも急に旅立った「インドの兄」は命を懸けて、残された家族の心にトラウマとともにそのことを深く深く刻み付けた。

一方で、アコラでの葬儀の折に垣間見た、義妹夫婦やその娘たちの友人をはじめ、心ある親類縁者たちがてきぱきと立ち働き、助けてくれる姿は、どん底に落ちた時こそ、人が持つ本当の優しさや善意に気づくのだということも痛感した。
その誠意に応えるためにも、わたしたちは協力し合って、大黒柱を失った一家を立て直していきたい。

誰にも顧みられないかに見えるスラム街で、多感な思春期を過ごす青少年の心の健康をケアするプログラムが存在することを、「The Better India」で知った。

Where Do Slum Kids Go When They Are Depressed? Here’s the Wonderful Answer
SNEHA, a Mumbai-based NGO, tackles mental health among adolescents in Mumbai slums - The Better India


ムンバイーを拠点に、主にスラム街などの過酷な環境で生きることを強いられている、およそ5,000人の青少年男女を対象に、心のケアを提供する非営利団体、SNEHAでは、「青少年の活用、保健衛生、性教育(Empowerment, Health and Sexuality Education of Adolescents:EHSAS)」と題したプログラムを展開している。

同団体によれば、インドにおける青少年の自殺率は全世代を通じて最も高く、15~29歳の年齢層で男性の死亡率の40%、女性の死亡率の56%を占めている。

プログラムでは、不安や抑うつ状態、自傷行為、薬物乱用などに焦点を当て、青少年の精神衛生状態を定期的に検査し、必要に応じて心療専門医師によるカウンセリングを実施している。

相手と同じ痛みを経験することは難しくても、想像し、自分に何ができるかを考えることはできる。





  



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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