夕日が空を赤く染めるころにアコラを出ると、長く舗装もままならないデコボコの曲り道を経て、食事のできるダーバー(ढाबा)の充実した片側2車線のナショナル・ハイウェイ(NH 753A)に出るころには敏腕ドライバー、プラヴィンさんの運転でも真夜中を過ぎてしまう。
昨日のルート
アコラとの往復時の行きつけと言えば、ジャルナの「アムリトサル・パンジャーブ(Hotel Amritsar Punjabi)」だったが、そこまで空腹が持ちそうもない。
そこで今回は、標高600メートルの比較的高原にあるチクリ(Chikhli)という町で見かけたダーバー、と呼ぶには忍びない立派なたたずまいの「ミーラ(Meera)」というレストランに立ち寄った。
結果、まだ新築の物件のようで設備がピカピカに真新しく、わたしたちのような女性旅行者にとっては、(現時点では)きれいなトイレが整備されているところからして大正解だった。
レストランは屋外にテーブル席が設けてあり、トイレに行く際にホテル風の近代的かつ上品なたたずまいをした建物内を通過すると、宿泊できる部屋もいくつかあることを確認した。
うっかり食事の写真を失念してしまったのだが、アルー・メティはジャガイモの甘さが引き立つ味、ダール・タドカは少し塩が強めだったけど合格点、ローティーは窯出しのアツアツでとても美味だった。
何より従業員のサービスが比較的洗練されており、にこやかかつ温かな対応だったので、疲れていた心身に心地よかった。
その標高が周囲よりも高いことから、比較的涼しい気候を特徴とするチクリは、マハラジャの避暑地として整備されてきた歴史があると言う。
名もなきド田舎のようでありながら、このような洗練された店と出会えるのは、往時の名残なのか。
それにしても、かつては、このような「in the middle of nowhere」みたいな場所のダーバー情報などを記載しても、誰の役にも立たないだろうと高を括っていたものだった。
しかし最近は、インド一周バイク旅の写真家、三井昌志さんや、様々な交通手段を駆使してインドを縦横無尽するアジアハンターの小林真樹さんのような、超人的な行動力で駆け回る方々とお知り合いになる機会があったことで、「もしかしたら行く人がいるかも」という発想になり、何でも発信してやろう精神を担うようになった。
自分に起きた、ここ数年で最も大きな、最も心躍る変化である。
謎の「板チョコレート」メニュー。
謎のパコダ。
注文したかった。
チャットラパティー・シヴァージー・マハーラージ(छत्रपती शिवाजी महाराज)王の銅像。
バーフバリか。