養子に迎えたヒンドゥー教徒男性の信教を尊重し続けたムスリム家族

 

Posted on 18 Feb 2018 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

この家族に、永遠に祝福あれと願っています。



※結婚式の画像を探してみましたが、適当なものがなかったので貼り付けておきます。
ちなみにこれは結婚式の写真ではなくて、
数年前にアコラ実家が竣工した記念プージャーをした際のものです。
 

ヒンドゥー教徒として生まれた子供を息子として養子に迎えたイスラーム教徒の夫妻が、成長した男性が恋に落ちた相手がヒンドゥー教徒だったことが分かり、息子の元の宗教を尊重した結婚式を挙げさせたという心温まるストーリーを、「Deccan Chronicle」電子版が伝えていた。

Muslim couple marries adopted Hindu child off as per his religious customs - Deccan Chronicle

男性はヒンドゥー教徒として生まれたが、諸事情により12歳の時にイスラーム教徒の家庭に養子として引き取られることになった。
この家族は男性の信教を尊重し、名前を変えさせたり、改宗を求めたりすることはなかった。

それどころか毎年、主にヒンドゥー教徒が兄弟姉妹の絆を祝うお祭りであるラクシャ・バンダン(Raksha Bandhan)では、娘たちから男性の手首にラーキー(Rakhi:姉妹から兄弟への絆の印として贈られるブレスレット)を結ばせたり、ホーリーやディワーリーなど、ヒンドゥー教徒にとって重要なお祭りも一緒に祝い、大切に育ててきた。

時は流れ、男性に愛する女性が現れ、結婚することになった時、女性側の家族から、男性がイスラーム教徒の家庭出身であることに対する不安の表明があったという。
ところがそのような心配は杞憂で、男性側の家族はイスラーム教徒でありながら、ヒンドゥー教の儀式に則った結婚式を挙げることにまったく反対しないどころか心から祝福し、新しい嫁となった女性を温かく受け入れている。

とかくインドでは、ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒との間の流血の衝突ばかりが発生しているかのように取り沙汰されることが多い。

ところが実際には、この話題の例のほか、西ベンガル州のカラグプル(Kharagpur)で、イスラーム教徒たちにとって大切なムハッラム(Muharram)の祭事を中止し、限られた資金を住民たちが持ち寄り、ガンで闘病する隣人に寄付した話(This Muslim Community Wants to Cancel Muharram Procession to Save a Hindu. Find out How!)や、グジャラート州アーメダーバードのムスリム建築家が、老朽化し崩れかけた築500年のハヌマーン(ヒンドゥー)寺院を毎日少しずつ改築している話(Harmony Over Hate: This Muslim Man from Ahmedabad is Restoring a 500-Year-Old Temple)もある。





  



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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