現実味を帯びているようで現実離れしてるインドを体験

 

Posted on 27 Oct 2017 21:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh

ジュディさんをはじめとする女性たちが着こなすインド服にも注目です。



日本のアマゾン・プライム会員に加入している。
「プライム・ビデオ」で日本語の映画やドラマが観られるようになれば、ラーダちゃんの日本語学習に少しでも役立つと考えたからだ。

ところがわたしの狙いは外れた。
なぜなら「プライム・ビデオ」は、日本国外からの視聴(アクセス)ができないコンテンツが圧倒的多数を占めているのだ。

そこで、料金を支払ってレンタルまたは購入すれば、日本国外からも視聴できるとされている数少ないコンテンツの中から、「君の名は」の英語字幕版をレンタルしてラーダちゃんと観たりしている。
しかし英語字幕版を用意している日本語コンテンツは、現在のところ「君の名は」ぐらいしか見つからない。

したがって現在は、「Netflix(こちらはインドで加入)」に上がっていないハリウッド映画のうち、インドからの視聴も可能なコンテンツを観る用途に徹している。

なお、日本で「アマゾン・プライム」に加入しているわたしのような人が、海外からも楽しめるコンテンツとしては、Kindle本が限定冊数だが読める「Prime Reading」がある。
これについても詳細を近日中にレポートしたい。

1カ月半ほど前、確かまだガネーシャ祭期間で、毎日賑やかな太鼓の音が団地にこだましていたころに、「プライム・ビデオ」で「マリーゴールド・ホテルで会いましょう(The Best Exotic Marigold Hotel)」をレンタルして観た。
ジャイプールを舞台に、高齢のイギリス人男女が、それぞれの事情を抱えてインドの「豪華ホテル(とは名ばかりのボロ屋敷)」で暮らし始める、というストーリーだ。

インドに住んでいる身としては、建物のガタつき具合とか、埃っぽい街の喧騒とか、「インド大好き」という気持ちとか「インドなんか大嫌い」という感情とか、すべてが実感のように伝わってくる。
そういう意味で現実味を帯びた描写だ。
物語の冒頭で、ジュディさん(扮するイブリン)が保険の件でコールセンターに電話をかけるシーンがあるのだが、繋がった先が明らかにインド(インディアン・イングリッシュ)というのも、示唆に富んでいておもしろい。

一方で、主演女優のジュディ・デンチ(Judi Dench)さんをはじめとする、かっこいいシニアたちがインド服をバシッと着こなし、互いを尊重し合いながらインド生活を前向きに謳歌する様子は、どちらかと言えば非現実的でもあり、だからこそ真似してみたいような気持ちになる。
個人的に痛快だったのは、一番早く逃げ出しそうだった女性が、最後の方でマリーゴールド・ホテルの運命を左右する重要な活躍をするシーンだ。

日本を含めた先進国に住む高齢者が、年金を手にするようになったことをきっかけにして、物価が安いからとか、暖かいからとか、人が穏やかだからとかいう理由で他国に移住しても、こんなはずではなかったという状況に陥ることが多々ある。
新しい環境への適応は、特に高齢になればなるほどリスクが大きいものだが、こんなメンタリティを生涯持てたとしたら、きっとどこへでも行ける自由を手に入れられる。






            



About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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