※写真はゴアのモルジム・ビーチにあるリゾート(とは名ばかりのテントハウス)。
ディワリ休暇週間がスタートした。
と言っても、わたしは毎年のごとく、仕事を抱えたままシッダールタの実家のあるマハーラーシュトラ州内陸部、プネーから陸路500キロほどの地点にあるアコラで過ごすことになっており、明日は1日中、道中の車で過ごすことになるのだろう。
空港すらなく、埃が空気中に舞い、牛糞か何かの微妙な臭いがそこはかとなく漂い、外国人が一人で歩いていようものなら見世物のごとく無遠慮に凝視される田舎の小都市アコラ。
ドライバーのプラビンさんにお願いして、プネーからアフマドナガル(Ahmadnagar)、アウランガーバードなどを経て、10時間でこぼこ道を走破してやっとのこと辿り着くシッダールタ実家に、土曜日まで滞在することになっている。
とはいえ毎年毎年、ディワリといえば、まったく同じプログラムだ。
もちろん、それなりに楽しいこともあるのだが、今年もいつ、何をするのか、どんな計画がなされているのか、もはや手に取るように想像できるので、正直に言ってだいぶ飽きてくる。
これが車で2時間ぐらいの距離とか、せめて飛行機で行けるような場所だったら、「今年もそんな時期ね」ぐらいの感覚で楽しめたかもしれない。
プネーから片道10時間あれば、軽く海外だって行けたのになぁ、などと、つい考えてしまう。
ただしシッダールタ両親とは、毎年この時期ぐらいしか顔合わせをする機会がないので、来年こそはアコラで過ごす代わりに、4人で旅行にでも出掛けようと提案したい。
こんなことを書いてしまうのも、だいぶ疲れが溜まっているらしい。
いっそのことディワリはどこにも行かず、思い切り眠っていたかった。
少々ふてくされ気味のわたしに、このニュースがインスピレーションをくれた。
「The Times of India」が、コツコツと自分のお金を投じ、28年かけて10万本もの木を町中に植えた、バス乗務員を紹介していた。
This bus conductor planted a whopping 38,00 trees in 28 years; here is his incredible journey - The Times of India
この方はコインバトール(Coimbatore)のタミル・ナードゥ州交通公社(Tamil Nadu State Road Transport Corporation)が運営する「70番」路線のバスに乗務する48歳のヨガナタン(M Yoganathan)さん。
生まれ育った町が深い自然に抱かれたニルギリ(Nilgiri)高原にあり、幼いころから木々の癒しを身近に感じていたという。
そんな折、木材の違法な伐採が横行していることを知り、何とか環境を修復し、保全する方法がないかと考えた。
そこで毎月の収入のうち、実に4割を投じて苗木を購入、地域の学校や大学と協力しながら、コツコツと28年もの間、ひたすらに植樹を続けた。
ヨガナタンさんの環境保全活動は、インド政府やタミル・ナードゥ州政府からも数々の賞を受賞するまでになっている。
たったひとり、自腹で公共活動をしている理由を尋ねられたヨガナタンさんの回答は、「私は借家住まいなので、自宅に木を植えるわけにはいかなかった」という、とてもシンプルなものだった。