2017年も「博多で翻訳勉強会」②遠田和子先生の「『英語らしさ』って何?」
Posted on 25 Sep 2017 21:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh
時々たどたどしい英文でブログ記事を公開している身としては、まずは遠田先生のご著書を片っ端から読むべしという結論に達しました。
※前半の高橋聡先生のご講義レポートはこちら。
9月23日土曜日、「福岡で翻訳勉強会」後半は、「WordSmyth英語ラボ」を主催されている遠田和子先生によるご講義、「『英語らしさ』って何?」だった。
遠田先生は、各種書籍の英訳者として活躍される一方、翻訳学校などで教壇に立たれたり、また「英語『なるほど!』ライティング(講談社)」や「Google英文ライティング(講談社インターナショナル)」などのご著書を通じて、英文作成に苦手意識が強く、及び腰になりがちな日本人の背中を優しく後押ししている。
この日は、主に日本人翻訳者による英訳作業時に犯しやすいミスの傾向を分析し、これを克服するためのコツを分かりやすく、しかもとてもフレンドリーなアプローチで教えてくださった。
特に、ネイティブに伝わる英文にするためには、基本構造「SVO」形式を守り、かつなるべく少ない単語数で表現することの大切さを、会場のネイティブ英語話者の翻訳者たちから挙がる指摘も適宜、織り交ぜながらレクチャーしてもらえ、とても臨場感があった。
なお講義に先がけた9月初旬までに、先生からは受講者を対象に宿題(課題)として5問の和文英訳が出題されていたので、当日はその宿題の内容を踏まえた講義となった。
恥を忍んでこの場で打ち明けるが、わたしはこの課題で、先生が「原文の日本語に引っ張られた訳」とされていた地雷パターンを多分に踏んづけており、大変落ち込んだ。
特に「お好み焼き」の課題では「訳文に6個も『okonomiyaki』を、しかも単語の頭を大文字にして入れていた人」だったので、恥ずかしくて思わず下を向いてしまった。
しかし、この事実にきちんと向き合わなければ、いつまでたっても独りよがりの訳文を生み出す名ばかりの翻訳者となってしまう。
だからこそ勉強を続けていかなければならないのだ。
先生のご講義は、日々英語(や他言語)と向き合う、その言語の非ネイティブであるわたしたち翻訳者にとって腑に落ちるご指摘に満ちていて、会場中の人々が大きく相槌を打ちながら熱心に耳を傾けていたことがとても印象に残った。
いずれの講座も各90分間という時間の長さをまったく感じさせない、非常に充実した内容だった。
恐らくインドくんだりから出てきて参加していた人はわたしぐらいだったと思うが、その価値は十分にあった「福岡で翻訳勉強会」だった。
長年に渡る鍛錬により培われてきた珠玉の知識を、わずか90分にまとめてわたしたちに惜しげなく分けてくださった先生方はもちろん、同じ翻訳者として日々の業務もかなり多忙に違いないのに、このような貴重な学びの機会を企画し、運営してくださった「福岡で翻訳勉強会」主催者の方々には頭が上がらず、心から感謝の気持ちでいっぱいだ。
そして学んだことは今後にきちんと活かしていけるように、努力を継続していきたい。
福岡や九州およびその周辺で翻訳業務に従事していらっしゃる皆さまは、ぜひ「福岡で翻訳勉強会」をフォローして、勉強会の機会に積極的に参加されることを強くお勧めしたい。
業界一流の講師陣による極上の学びはもちろんのこと、怖ろしくもなんともない、むしろ愉快な仕事仲間たちに出会えることだろう。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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