シアチェン氷河で陸軍による「クリーンアップ作戦」:ゾウ13頭分のゴミを撤去

 

Posted on 22 Sep 2017 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

高地のゴミは燃焼しないだけでなく分解もされないことを初めて知りました。



※札幌と旭川を結ぶ凍った高速道路。2015年12月。
 

ジャンムー・カシミール州カラコルム山脈東部、パキスタンとの国境地帯にあり、世界最高地の氷河とされるシアチェン氷河(Siachen Glacier:सियाचिन ग्लेशियर)は、パキスタンとの国境紛争の最前線として、しばしば軍事的緊張の高まる地域にあたる。

参考:序章 現代インドの国際関係 - アジア経済研究所学術研究リポジトリ



 

ところが近年は比較的情勢が安定しているためか、有事に展開された軍事作戦により残された大量の廃棄物による氷河の汚染を食い止め、環境への影響を防ぐため、2014年よりインド陸軍によるクリーン作戦が実施されており、3年半かけて63トンのゴミが回収されたことを、昨日付の「Hindustan Times」電子版が伝えた。

63 tonnes of garbage removed from Siachen since 2014, says army - Hindustan Times

このゴミの回収量を、アジアゾウの平均体重を5トンとして、ゾウ13頭分、と表現している点は、いかにもインドらしい。

不要になった梱包材や飲料水用の樽、生ゴミなどを含むこうした廃棄物が、標高5500メートルもの高地から、どのように地上に下ろされたのか。
同紙の報道によると、兵士らが担いだり、荷役を雇ったり、ポニーに運ばせたり、時にはヘリコプターを往復させている。

シアチェン氷河周辺は、険しい地形と高い標高による薄い空気により、廃棄物の分解や燃焼が困難になっている。

記事ではまた、インド陸軍では、ウッタラカンド州ガルワール県の国境地帯でもクリーンアップ作戦を開始したと伝えている。

シアチェン氷河について調べていた時に、こんな素敵なページも見つけた。

極地以外で最長、パキスタンのシアチェン氷河 Siachen Glacier - パキスタンと日本の友好のために活動するNGO/NPO Jasmine






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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