11年間で1,300人の子供たちの就学を支援してきたオートリクシャーワーラー

 

Posted on 12 Aug 2017 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

人の人生を変えるのも、お金や権力のあるなしにまったく関係なく、「意思」次第であることを、今一度、噛み締めています。



家庭が貧しく学校に通うことができなかった男性が、自分のような境遇の子供たちが経済的な理由で学業を諦めざるを得ない状況に陥らないようにと、わずかな収入のほぼ全額を費やして、11年にも渡る支援を続けている。
「The Better India」が伝えた。

In 11 Years, This Coimbatore Auto Driver Has Helped 1,300 Students From Govt Schools - The Better India

ケーララ州コインバトールでオートリクシャー運転手としての職業に従事する45歳のラージャ・セティ(Raja Sethi)さんは、父親がアルコール依存症だったため、母親の日雇い稼業が支える家庭で育った。
母が収入を得られなかった日は、空腹を抱えたまま眠りにつくこともしばしばだったという。
当然、学校に行かせてもらう余裕がないまま成人した。

この、学校に行くことができなかったという事実は、ラージャさんの人生に大きな爪痕を残した。
そこでラージャさんは、自分のような人生を送る子供の数をひとりでも減らそうと行動を起こすことにした。
それが、約11年前。

以来、「自分の家で養うべき人は今や母親しかいない」という理由で、所有するアパートの家賃収入と合わせた、わずかばかりの収入のほとんどを、恵まれない家庭環境にあるが、将来有望な子供たちを選抜し、学校に行くために必要とするバッグや本、弁当箱などの支援を行なっている。

最初の年に支援できたのは、わずか3人だったが、現在は公立学校32校に通う150人を支援している。
11年間で支援した子供の数は、1,300人を超える。

インドと中国との間、そして北朝鮮とアメリカとの間で、緊張が高まっている中にあって、人の持つ優しさや力強さというのは、本来は無名の、このような人たちが一番持っているものなのかもしれない。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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