シンガポールとインドの関係って、最新事情はどうなのだろう
Posted on 30 Jun 2017 23:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
限られた土地や面積に、人が共存して暮らしているシンガポールもまた、地球の縮図、先進国のまもなく通る道を照らしているのかもしれません。
※昨年はじめに訪れたチャイナタウンの一角。
シンガポールには何度か足を運んでいたが、今回は初めて「リトルインディア(Little India)」を訪れた。
MRTの「Little India」駅A出口から左手に進むと、もうそこはインド。
正確にはタミル世界だ。
食料・雑貨店の何とも言えない人工的な匂いから、八百屋の店先に山と積まれたカディーパッター(कढीपत्ता:カレーリーフ)やコシンビル(कोथिंबीर:マラーティー語でパクチー)が放つ独特の香り、そして商店の人たちが絶やさず燃やしている強力な線香の芳香が通りにたゆたい、大音量のタミル音楽がズンドコズンドコ軒先という軒先からあふれてくる。
暗くなってから訪れたため、停電のないシンガポールをいいことに、カッと照り付けるような明るい照明が、容赦なく顔面を照らしてくれる。
ちなみに帰りは、リトルインディアの先に見えていた「Sim Lim Tower」屋上のグリーンのネオンを頼りに、その並びに建つ我々の滞在先まで徒歩で帰った。
金曜日の晩だったことと何か関係があるのか、リトルインディアをうごめくのは、ほとんどがインド人だった。
多民族国家とはいえ、街を歩いていて目につくのは中華系の顔立ちをしている人が圧倒的に多いので、在住者はもちろん、観光客らしきインド人が我が物顔で歩き回る特異なエリアであることは間違いない。
そこでふと気になって、シンガポールとインドとの関係は、いまどういうことになっているのか軽く検索すると、なんと「シンガポール・ファースト」とばかりに、今年4月ごろからインド人技術者を含めた外国人知識労働者にトランプほどではないにしても、入国制限をかけているようだ。
Singapore First: Quietly shutting the door on Indian techies and other foreign workers
面積が東京23区ほどの小さな都市国家に、500万人を超える人が暮らしていることもあり、これ以上の人口増加を食い止めるためとしているが、なぜインド技術者が標的になっているのだろうか。
はっきりした情報かどうかは定かではないのだが、上の記事によれば、近年おびただしい数のインド人技術者が流入している中で、2005年に両国間で交わされた経済協力協定の内容、つまり、シンガポールに進出するインド企業は、現地シンガポール人を優先して雇用すべきとする取り決めに矛盾する状況が生じているという。
記事では、アメリカのような憎悪犯罪の可能性は低いとしながらも、インド人知識系労働者の移民は、アジア各国でも脅威として捉えられつつあるのだという。
シンガポールの総人口のうち10%を占めるインド系国民は、マイノリティとして差別の対象となることも多いと複数の書物で読んだことがある。
いよいよ、日本へたくさんのインド人を呼ぶべき時代が到来したとも考えられないだろうか。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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