ガーンディ69回目の命日に、世界で起きていること

 

Posted on 30 Jan 2017 23:00 in ASKSiddhiのひとりごと by Yoko Deshmukh

理想の社会とは、追いかけては逃げてゆくようなものなのでしょうか。



An eye for an eye will leave everyone blind.(目には目を(と相手に報復する行為)は全員を盲目にするだけだ)」とは、非暴力による大英帝国からの独立運動を主導した、現代インド建国の父とされるマハートマー・ガーンディ(Mahatma Gandhi)の言葉とされている。
出典: Quote Investigator

本日は暗殺者の凶弾にガーンディが倒れてから69年目の命日だった。

自分の利益を守りたいという思いは、誰しも持って当然だ。

たとえば北朝鮮の一党独裁体制が崩壊して内戦が勃発、大勢の北朝鮮国民が明日にも難民として日本に押し寄せて来ないとは言い切れない。
その時に日本政府は、日本人は、行く当てのない罪なき一般の人たちを受け入れられるか。
難民の中には、スパイや日本転覆を目論む分子が潜んでいるかもしれない。
そうした非常事態の中、どのように人類として共存していくのか、突き付けられることになるだろう。
可能性として、常に考えておくに越したことはない。

なぜなら世界中で、まさにこのようなことが現実となっているのだから。

確かに、数百万人もの難民たち押し寄せてくる状況では、圧倒的多数の一般市民と、過激派分子との見分けがつかない。
また不法移民にも、ひとりひとりの事情があるだろうが、目をつぶってしまえば、国民がまともな仕事にありつけなくなるばかりか、国家財政にも大きな影響が及ぶだろう。
いったん「整理」したくなる気持ちも分かる。

しかし国境を閉ざし、特定の国や宗教を敵視し、そこへ属する人たち全員にラベル貼りをして、例外なく不当な扱いをすること、すなわち盲目的な差別行為は、その国に平和をもたらすどころか、新しい負の感情を生み出し、敵だらけの世界を作るだけだろう。
超大国の首領たる立場にある者の最大の特権、それは英知を結集して最善を尽くすことだ。

冒頭のフレーズが示す通りの世界がやってこようとしているのではないことを祈る。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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