ただいまプネ:その道のりと「手ぶら便」、そして意外な「インドのソウルフード」

 

Posted on 08 Jan 2017 23:00 in トラベルASKSiddhi by Yoko Deshmukh

日本国内キャリアの恐るべき利便性を味わってしまいました。これ、他の国にもあるのかな。言うまでもなく、インドにはありません。



ANA成田発NH 829便に搭乗し、昨晩7時ごろ、ムンバイに着陸した。
空港上空付近の向かい風の影響で、30分ほど到着が遅れてしまったが、10時間強の長さをあまり感じさせない快適なフライトを堪能した。
プネに到着したのは、途中で夕食に立ち寄ったりしたので午前零時を回っていた。

機内はほぼ満席だった。
冬休みの終わりで一時帰国から戻ってきたらしき日本人のご家族も多かったが、インド人もたくさん搭乗していた。
2016年は、このANA成田・ムンバイ便に3回ほどお世話になったが、いずれも往路すなわちムンバイから成田へ向かう機内は、比較的空席が目立つのに対し、成田からムンバイへ向かう便は、そこそこ搭乗率が高いので、この路線の存続は少しは安泰と言えるのかな。
なお機内食は趣向を変えて「ローカロリーミール」を注文してみたけど、塩分が控えめすぎて、ちょっと物足りなかったかな。

さて今回、われらがプネの羅針盤、「よっすぃ〜」が数ヶ月前に教えてくれていた、ANAがクロネコヤマトと提携して展開するチェックイン手荷物運搬サービス、「手ぶら便」を利用してみた。

というのもふだん、空港にスーツケースを前もって送っておいて、空港まではなるべく身軽で行くようにしている。
ところが福岡からは国内線ターミナルから成田行ANA便に搭乗する予定だったものの、朝7時55分発と早く、しかも現在、絶賛改装中の国内線ターミナルは「カオス」と言える状況で、ただでさえ普段から国内線ターミナルのヤマト便カウンターは非常に離れた分かりにくい場所にあり不安だった。
なお大小2個のスーツケースを持ち帰ろうとしているわたしにとって、自力で自宅から福岡空港まで持ってゆく、というオプションは最初からなかった。

かといってスーツケースを成田空港着にしてしまうと、福岡空港からチェックインカウンターに預けていれば国内線から国際線にそのまま乗り継げるところを、いったん外に出て、これまたターミナルビル端っこにあるヤマト便のカウンターまで自分のスーツケースを取りに行き、国際線出発フロアに上がってムンバイ行きの便に改めてチェックインしなければならなくなる。
ところが福岡からの便は午前9時35分成田着、成田からムンバイ行が午前11時15分発の予定だったため、乗り継ぎ時間が短く余裕がなさそうだ。

そんな時、「手ぶら便」は自宅にスーツケースを集荷に来てくれ、到着地ムンバイの空港まで一気に運んでくれるので大変便利だ(ただし重量25キロまで)。
初めて利用したわたしは、空港に到着したことを知らせるクロネコヤマトのメールサービス(事前登録が必要)を受けてから、成田空港のヤマト便デスクに電話をかけて確認してみたが、「ヤマトではございませんがご搭乗予定のANA便の職員が、お預かりしたお荷物を飛行機にお載せします」との丁寧な回答をいただいてちょっと安心。

もちろんムンバイ国際空港でも無事に、しかも「Priority」タグつきでヤマトのビニール袋のかかったままの状態で荷物が流れて来て、とても感動した。
この利便性は海外在住者や日本在住外国人などの一時帰国組にとって、日本国内の配送業者とタッグを組める日本キャリア、すなわちANAやJALを選ぶ大きな決め手となるかもしれない。

飛行機が無事にムンバイに到着し、ハッチがオープンするや否や、インド人女性が「陽子さん?」と声をかけてきた。

なんと7年くらい前に、友人の妊娠7ヶ月の儀式のときに一度お目にかかったことがあっただけの方で、その顔認識力と記憶力には舌を巻く。
数年前から保険会社に勤める夫(インド人)が東京勤務となっており、息子の教育のためプネに残っているが、2人で定期的に会いに行っているそうだ。
機内から頭痛がしていて「ああ〜、またあの広い空港を端(やたら遠いところにある到着ゲート)から端(入国審査〜バゲージクレーム)まで無駄に歩かされるのだな」と少しうんざりしていたところだったので、思いがけず楽しい話し相手ができ長い通路があっという間だった。
彼女と息子はプネまで、事前予約できるタクシー「KK Travels」を手配しているとのことだった。
わたしはいつも通り、運転手プラビンさんと一緒に迎えに来てくれたシッダールタが、出口で待っていてくれた。

帰路、途中のパンヴェル(Panvel)付近にある名もないダバ(Dhaba)に立ち寄った。
いよいよ頭痛がひどく、何も食べる気がしなかったので、トマトスープ(Cream of Tomato Soup)のみ注文。
「半分でいいよ」と言いながらすすり始めると、あら、おいしい。
疲れた胃にじんわりとしみ、ほどよく焦がしたクルトンも香ばしくて、あっとう間に完食してしまった。

思えば、わたしが初めて味わったインド家庭料理は、シッダールタのアイー(お母さん)が作ってくれた「激辛」トマトスープだった。
ヒ〜ヒ〜言いながらも、人様の作ってくださった心のこもった料理だから、ありがたくいただいたものだ。

あれから15年以上が経過し、いろいろなところでいろんなトマトスープを食べてきたけど、「ハズレ」というものに出会ったことがない。
いつの間にかトマトスープが、わたしのインドのソウルフードになっていたのかな。
そういえばインド(特にマハーラーシュトラ州)では当たり前にあるんだけど、日本のレストランで「トマトスープ」とかいうメニューがあるところ、なかなかないよね。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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