今年はじめのチャンギ刑務所訪問が2016年のテーマに
Posted on 30 Dec 2016 23:00 in トラベルASKSiddhi by Yoko Deshmukh
2016年もいろいろなことがあって充実した1年だったけれど、それだけに年始のことをすっかり忘れていました。
今年は1月、日本からの帰りにシンガポールに1日だけ立ち寄り、念願のチャンギ刑務所(Changi Prison)を見学することができた。
日本占領下のシンガポールで、人々が強烈な恐怖と搾取に震えながら暮らす様子を、旧日本軍の蛮行の具体事例とともに紹介するパネルが続き、いたたまれない気持ちでそれらをひとつひとつ読んでいった中、「建国の父」故リー・クワン・ユー元首相の言葉を記した展示パネルが印象に残った。
そこには「日本軍による占領統治は、我々に深い傷跡を残した。終戦により我々は力ずくでの暴力的な統制からは解放されたが、その3年半にわたる強烈な抑圧は、長年の英国統治を緩慢かつ無意識に受け入れて来た我々への鮮烈な警鐘となった」というようなことが書かれていた(館内は写真撮影が禁じられているので、記憶を元に書いている ※上の1枚は注意される前に撮った)。
真綿に包み込むような大英帝国による統治も、激しい旧日本軍による統治も、根底では同じ精神だと彼は言い、英領からの独立に向けて動き出した。
2016年はこのように幕開けしたことを、いま急に思い出した。
それは、ある国に対しても、ある個人に対しても、どのような物事も、必ず多面的に捉え、考え、見えているものや他人からの話で、単純に決めつけてはいけないというメッセージに思えた。
シンガポールという国は小さく、また近年はすみずみまで開発が行き渡り、「つまらない国」、「1回行けば十分」などと言う人も多いが、この国を含むマレー半島の歴史は深く、様々な移民が織りなして来た文化的な要素にも興味がある。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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