9月24日博多で翻訳勉強会②:テリー齊藤さんが教えてくださった「翻訳チェック、そしてWildLight」その1

 

Posted on 27 Sep 2016 23:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh

これまで抱えてきた品質に対する漠然とした不安感が、霧のように晴れていくように感じました。実践あるのみです。



お昼休憩を挟んで2限目の講義は、やはり翻訳業界では超有名な「テリー齊藤さん」こと齊藤貴昭さんによる、翻訳チェックのポイントと、ご自身が開発された特許もののチェックツール、「WildLight」についての詳細とデモだった。
この講義の内容も、以前からとても楽しみにしていたため、とてもワクワクした気持ちで受講した。

講義の内容は、圧巻の130枚にも及ぶスライドで充実していた。
まずはテリーさんによる5つの呼びかけから始まった。
「翻訳作業時は何をチェックしているか?」、「どのようにチェックしているか?」、「なぜその方法でチェックしているのか?」、「順番は決まっているか?」、「なぜその順番か?」
この問いに対する回答を考えるだけで、一瞬にして自らの作業方針がいかに不安定なものか分かってしまった。
わたしの場合、英文法は全文に対して有料ツールをかけてチェックしているが、日本語のチェックはJTF日本語標準スタイルガイドを使ったり、使わなかったりで、その他のチェックポイントはほぼ目視という状態だった。

テリーさんは、まず今年実施されたアンケート調査結果に基づく顧客が求める翻訳成果物の質と、翻訳者が品質チェックの際に見ているポイントとのギャップを挙げた。

実は、わたしたちが作業の際に見る流暢さや読み易さといった「翻訳の質」より、顧客は用語の統一などといった「ルールへの適合性」を気にしている。
ところが、翻訳の質チェックは「精神作用」といって、個々人に依存した脳の働きをするのに対し、ルールへの適合性チェックは「作業」であり、この2つはまったく異なる脳の機能を使うことが分かって、目からウロコだった。

ゆえに同時進行でこの2通りのチェックをすることはそもそも無理があり、また集中力の持続時間にも限りがあることを、製造業の現場でのチェックを例に、とても分かりやすく説明してくださった。

それでは、顧客の求める翻訳品質を、どのように無駄なくチェックするのか?
強力なプロセスとツールが、不可能を可能にする。
続きをご覧いただきたい。

テリー齊藤さんによる、セミナー当日に関する記事

テリーさんのウェブサイト「翻訳横丁の裏路地


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博多で翻訳勉強会と懇親会






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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