4000年前の遺跡から発掘された「カレーの原型」:BBC記事より
Posted on 25 Jun 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
シンプルだけどおいしそうです。トウジンビエのローティなんて、現代で言う「スーパーフード」というところでしょうか。
*The photo from BBC article
BBCがインドの食にスポットを当てて紹介するシリーズ、「India on a Plate」の記事で、今度は4,000年前の「カレーの祖先」とも言える料理を紹介していて興味深かった。
Cooking the world's oldest known curry
それは古代文明ハラッパー(Harappa)にさかのぼる、現在のデリー近郊のガガール(Ghaggar)渓谷に位置するファルマナ(Farmana)の遺跡発掘現場で偶然にも発見された証跡をもとに、高度な考古学的解析技術により再現された料理だ。
バンクーバーのワシントン州立大学(Washington State University)に籍を置く考古学者、アルニマ・カシャップ(Arunima Kashyap)教授とスティーブ・ウェバー(Steve Webber)教授が、遺跡発掘現場で発見された古代の壺の破片を分析したところ、ナスやショウガ、ウコン(ターメリック)などを示すデンプンなどの成分が抽出され、これをきっかけとして最古のカレーの再現が進んだ。
研究チームは野菜や果物、スパイスなどの分子が持つ特徴を同定し、そうした材料に対する熱や塩、砂糖などによる調理の影響を調査、さらに調理に使われた鍋や石器、またヒトや残り物を与えられたとされる家畜牛の歯のエナメル質などの化石から、 50種類ものデンプン分子を抽出した。
すると、まずマンゴーやバナナ、またイチジクやウリなどの材料を煮たり焼いたりして食べた料理が存在したことが明るみとなり、ハラッパー文明の新たな考察への道筋を示すきっかけとなったという。
BBC記事では、この「古代カレー」のレシピも掲載しており興味深い。
以下は1〜2人分の分量の作り方となっている。
遺跡から発掘された「カレーの原型」は、ナスとターメリック、ジンジャーのみを材料に、塩だけで味つけられたと考えられているが、このレシピでは、その時代に入手できたとされる材料も加えた、多少リッチなものとなっている。
できれば土器に近い素焼きの鍋で調理すると、より本格的になるという。
<材料 1〜2人分>
小ぶりのナス6〜7個 よく洗って皮をむく
ショウガ1インチ大 すりおろしておく
新鮮なターメリック1個をすりおろすか、小さじ4分の1のターメリックパウダー
塩
サイコロ状にカットしたマンゴー 大さじ1
ゴマ油 大さじ2〜3
クミンシード 小さじ4分の1
脱水したサトウキビジュース 適量
スイートバジルの葉 数枚(あれば)
作り方:
1. ショウガとターメリック、クミンシードは若干水を加えた状態ですりおろす。
2. ゴマ油を熱して「1.」のペーストを追加し、数分間煮る。
3. ナスと塩少々を加えてよく炒め合わせる。
4. ナスに火が通るまで蓋をして蒸し、必要であれば水を加える。
5. マンゴーと脱水したサトウキビ汁を加え混ぜ、数分間マンゴーに火が通るまで煮る。
6. 味を確認し、バジラ(bajra:トウジンビエ)のローティとともにいただく。
レシピ出典:ソイティ・バネルジー(Soity Banerjee)
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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