サモサの歴史とその広がり:BBC記事より
Posted on 23 Jun 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
個人的には、プネのあるパールシー料理のレストランで食べた、マトン挽き肉のサモサの味が忘れられません。
EU残留か離脱か、国民投票の結果次第で揺れるイギリスだが、BBCがインドのストリートスナック、サモサの歴史を事細かに紹介していた。
EU離脱でインド化の道を辿ろうとする準備かもしれない。
The story of India as told by a humble street snack
食のグローバル化によって、様々な国の料理をどこにいても食べられるようになった現代。
中でもインドの大衆スナックの代表、サモサは、インド料理店では必ず定番メニューに登場する。
パリパリの皮を頬張ると、茹でてつぶし、スパイスやハーブで味付けしたジャガイモの、柔らかな口当たりを楽しめ、誰もが愛するサモサ。
BBCの記事によれば、このシンプルなスナックは意外に歴史が深く、しかも数カ国にもまたがる広く長い旅をしてきたことが分かっている。
サモサの起源はイラン高原にあるとされ、ペルシア語で三角形を意味する「サンボサグ(Sanbosag)」という宮廷料理が語源であるというのが通説だ。
古くは紀元11世紀のペルシア人歴史家(Abul-Fazl Beyhaqi)の手による文献に登場、挽き肉やナッツ、ドライフルーツなど贅沢な食材を使用したサンボサグが、後に「パールシー(Parsi)」と呼ばれることになるインドへの移住者をはじめ、世界各地に広まっていった。
Wikipediaを見てみると、その後インドだけでなく、遠くは南アフリカの最南端にまでも広まっていったようだ。
サモサがインドに到達すると、宮廷料理としての高級感よりも、菜食主義者でも手軽に食べられるスナックとしての性格が色濃くなり、ジャガイモをベースに、コリアンダー、コショウ、キャラウェイシード、ショウガなどの各種スパイスを組み合わせた世界初のファーストフードとなっていった。
16世紀にポルトガル人の貿易業者らがインドに進出すると、「新世界」からもたらされた食材で味付けされ、一層豊かに進化し続けていった。
詳細な歴史的、文化的な背景や現代のサモサ事情についてはBBCの元記事に譲るとして、サモサを食べたくなった。
日本では、一部のカレー店やインド料理店で春巻きの皮を使ったサモサが登場する。
これもまたひとつのサモサと言えるかもしれない。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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