パック入りイドリー液というヒット商品を作り、極貧から脱して億万長者になった男性
Posted on 14 May 2016 23:00 in インドビジネス by Yoko Deshmukh
緑色のパッケージに入ったイドリー液は、いつも安定して、おいしいイドリーやドーサ、ウタパを作ることができるので、わが家のお気に入りです。このような方が考案したのですね。
こちらのイドリー(Idli、南インド料理で、米粉と豆粉を合わせた発酵蒸しパン)バッター液パックは、わが家はしょっちゅうお世話になっている。
パック入りイドリー&ドーサ(南インドの米&豆粉クレープ)バッターを販売する「ID Fresh」という会社を経営する、43歳のムスタファ(PC Mustafa)さんは、ケーララ州ワイナード県のチェンナロード(Chennalode)という寒村出身で、父親は「クーリー(Coolie)」と呼ばれる鉄道ポーターの、貧しい家庭出身だった。
昨日付けの「Your Story」が、いまや大ヒット商品としてインド全土に販売網を持つ「ID Fresh」を年商10億ルピー規模の企業にまで成長させた、ムスタファさんの半生を綴った。
When a coolie’s son went on to build a 100 crore company selling idli dosa batter
家は貧しかったが教育を受ける機会は与えられ、小学校の最終学年相当のクラス6で落第したものの、めげずに学業を続けてカリカットの国立技術大学(National Institute of Technology)とバンガロールのインド経営大学(Indian Institute of Management)に進学した。
卒業後に立ち上げた「ID Fresh」は、今でこそ10億ルピー企業だが、資本金はたった2万5,000ルピーだった。
同社は現在、農村部の人材から優先して雇用している。
「チェンナロードには電気すら通っておらず、また小学校は1校しかありませんでした。自宅からも少なくとも4キロの道のりで、その遠さから、多くの子供たちが学業から脱落していきました」ムスタファさんはそんな中でも懸命に勉強を続け、家族の生活を楽にするために、技術者を目指した。
そんなムスタファさんに転機が訪れた。
当時、ケーララ州ではすでに、材料となる米や豆の粉砕から、水やヨーグルトなどとの混合までを済ませたイドリーやドーサのバッター液が、個人商店レベルで販売されていた。
この需要に目をつけ、5人のいとこたちと、パッケージ入りの安全で新鮮なバッター液販売を思いついたという。
10年前のことだ。
瞬く間に会社は成長し、いまや1,100人以上の従業員を抱え、毎日5万パックを売り上げる大企業となった。
かくいうわが家も、イドリーやドーサが食べたくなったらいつでも、団地内のキラナ(個人経営の商店)へでかけて、「ID Fresh」のパック液を求める。
発酵をきちんとしさえすれば、いつでもおいしくて新鮮なイドリーを楽しめる品質はさすがだ。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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