BMIより腹囲に注意、インド人の肥満事情
Posted on 26 Jan 2025 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
確かにマハーラーシュトラ州民にも老若男女問わず、腹が出ていたり、ずんどうだったりする人が多いな。写真は記事と関係ないけど、日本出発前ともに列に並んだインド人青年のチェックイン荷物の山です。
インド政府(保健省?)が15年ぶりに肥満治療と診断のガイドラインを改訂したという記事を見つけた。
How has India revised obesity parameters?
この動きは、肥満の測定方法に関する世界的な再調整を求める声を受けて行われた。
医学誌ランセットの糖尿病および内分泌系専門誌「Lancet Diabetes and Endocrinology」に最近発表された報告書では、(BMI)とは別に、体脂肪の分布も健康と疾患のパターンを知るための重要な指標になると指摘した。
この報告書に合わせ、インドの「National Diabetes Obesity and Cholesterol Foundation(国立糖尿病肥満コレステロール財団)、「All-India Institute of Medical Sciences(全インド医科大学、AIIMS)」の医師や栄養士などの専門家らが、国内向け最新のガイドラインを発行した。
改訂された枠組みでは、肥満を次の2段階で分類する。
1つ目は、臓器や代謝の機能不全を伴わない体脂肪の増加を特徴とする「無害な肥満」、もう1つは身体機能への影響と肥満関連疾患の存在を特徴とする肥満で、特に(本土の)インド人に悪影響を及ぼす腹部の脂肪分布に重点を置く。
「政府は2009年にインド人向けに肥満の定義を改訂して導入した。この改訂では、インド人は一般的に西洋人よりも体脂肪率が高く、BMIレベルが低くても糖尿病を発症することが認められた」と、論文の共著者であるアヌープ・ミスラ(Anoop Misra)氏は説明する。
このため新しいガイドラインでは、BMI基準の閾値が下方修正された。
過体重は23から24.9 kg/m²以上、肥満は25 kg/m²以上と定義、西洋の基準である各25 kg/m²以上、30 kg/m²以上と比較して低い。
また、腹囲は男性で90cm以上、女性で80cm以上で、それぞれ西洋の基準である各102cmおよび88cmよりも低い。
研究によると、インド人が過剰な脂肪を蓄積することは、西洋人と比較して、BMI閾値が低い場合でも炎症や代謝障害のレベルが高くなる傾向にある。
2005年から2020年の15年間で全土の世帯を無作為に調査した結果によると、15歳から49歳の男性および女性における過体重または肥満(BMIが25 kg/m2以上)の有病率は、それぞれ9.3%から22.9%、および12.6%から24%に増加、人口のほぼ4分の1が過体重または肥満であることを示した。
肥満の有病率も、過去15年間で男女ともに2倍以上に増加している。
デリーのAIIMSによれば、インド人の腹部肥満と炎症、併存疾患の早期発症との間には強い相関関係があることが研究で示されている。
同機関は、「腹部の脂肪はインスリン抵抗性と密接に関連しており、インド人に多く見られる。現在では診断の重要な要因として認識されている。新しい定義では、糖尿病や心血管疾患などの併存疾患の存在が診断プロセスに統合されているため、肥満関連の健康リスクがより適切に管理できるようになっている」と説明する。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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