お世話になったシッダールタの叔父が昨年10月、バイク運転中の交通事故によって急逝した。
普段は無口だが、ふとした時に見せてくれる笑顔が限りなく優しく、慈愛に満ちた方だった。
グイグイ来るタイプではなく、控え目に気遣いしてくれるところが、他の親戚とは全然違っていて、わたしは好きだった。
同じプネーに住んでいることもあり、困ったときは何も聞かずに助けてくれる頼もしい方でもあった。
それ故に、住まいも近所だったのに、それほど頻繁に往来することはなかった。
たまに叔父さんのお宅にお邪魔すると、やはり優しく美しい叔母さんと、幼いながらも利発でおしゃべり好きな息子たち(シッダールタのいとこ)は、インド人に限らず他人の家を訪問するのが苦手なわたしでも、不思議と心地よかった。
あまりにも突然の別れに、これらすべてのことを叔父さんに伝えることができなかったことが悔やまれる。
ところで家族の誰かが亡くなった時、もしも婚約している相手がいる場合には、1年以内に結婚しなければならないという謎ルールが、マハーラーシュトラ州(テーランガーナー州も?)にはある。
このため、叔父さんが亡くなってまだ3か月ほどしか経っていない、まだ悲しみも癒えていないのではというこのタイミングで、長男Pさんの結婚式が行われた。
すでに結婚している次男Pさんともに、しばらく会わないうちにすっかり長身のイケメンになっていて驚いた。
そして花嫁さんも、次男Pさんの妻も、初めてお目にかかったが、2人ともパーフェクトに釣り合う知的な美女だった。
おかげで、わたしは叔父さんに伝えられなかった、心からの感謝の気持ちと、叔父さんへの思いを、結婚式を機に家族に伝えることができた。
万一わたしが当事者だったとして、どうするだろうかという点は未知数であるが、故人の出たお宅で結婚式を急ぐ理由のひとつは、こういうところにあるのかな。
花嫁がパンジャーブ州の方なため、
ノリノリの踊りでお出迎え。