保健省、2020年のコロナ禍関連の数字に対する修正調査を否定

 

Posted on 21 Jul 2024 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

「コロナ関連でないかもしれない」と言ってしまえば、大抵の事例に当てはまってしまいそうな気もします。写真はロックダウン中の空っぽな街路です。



インド保健省(Health Ministry)が、2020年に国内で確認された新型コロナウイルス感染症による死亡者数が、報告された数より多かったとする調査結果を否定した。

Centre rejects study claiming 11.9 lakh excess deaths in India during 2020 COVID-19 pandemic

同省は、「Science Advances」誌に掲載された調査結果は、根拠のない、容認できない推定値に基づいていると主張、同誌がインドにおける2020年の新型コロナによる死者数を119万人としていることに対し、国内のデータから大幅な乖離があるとして異議を唱えている。
インド政府は、同年の新型コロナ関連の死亡者数を53万人と発表している。

たとえば調査結果で報告する年齢と性別との関係で、女性と若年層(特に0~19歳)で死亡率が(死亡者に占める男性と女性の割合が2対1、および60歳超と0〜15歳の割合が高いとする国内の調査結果より)高かったとの主張について、この矛盾に説明がついていないことが、信頼性をさらに低下させていると指摘している。

同省ではさらに、この研究結果では国内の国民登録システム(CRS)で、2020年に死亡登録が大幅に増加(99パーセント以上)した点を考慮していないが、この登録死亡者数は新型コロナだけに起因するものではないと説明している。

研究結果の著者らは、「National Family Health Survey-5(NFHS-5)」を標準的な方法論に従って分析した結果であると反論している。

一方の同省は、その方法論には次のような重大な欠陥があると指摘する。
まず、著者らは2021年1月から4月までのNFHS-5調査に含まれる世帯のサブセットで、2020年の死亡率を2019年と比較し、その結果を国全体に外挿したことにある。
すなわちNFHSのサンプルは、国全体を考慮した場合にのみ国を代表するものとなるが、(同調査結果が比較した)14州の一部世帯(23パーセント)は、国を代表するものとはみなせない。

もう1つの欠陥は、NFHSのデータが新型コロナ感染者数ピーク時に収集されたため、含まれるサンプルの選択と報告に偏りがある可能性がある。

そうした点を考慮し、この研究結果が、インドを含む低・中所得国の出生・死亡登録制度が脆弱との主張を根拠とした分析の必要性を示唆するためのものであるとし、同省では、その主張はインドに関しては正しくないと主張する。
理由として前述のCRSは非常に堅牢で、死亡者の99パーセント以上を捕捉している点を挙げている。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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