ケーララ州で、ゾウの保護にAI技術を導入

 

Posted on 22 May 2024 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

インドゾウの写真は「WWF India」より。



BBCが、タミル・ナードゥ州で線路に侵入してしまい列車と衝突して命を落とすゾウが後を絶たないことから、野生のゾウたちの動きを追跡するAI技術を取り入れた監視システムを導入していると伝えていた。

Tamil Nadu: These elephants are dying on rail tracks - can AI save them?

公式データによると、州内の線路およびその付近でのゾウの死亡件数は増加傾向にあり、過去10年間で列車との衝突により命を落としたゾウは少なくとも36頭に及ぶ。

うち11頭は、ケーララ州と接するマドゥカライ近くの森林を通る2本の線路に集中しており、これは近隣のゾウたちの移動ルートと交差しているためとされている。
このため州森林局では、同線路沿いにライブ動画やサーモ画像を撮影できるモーションセンサー付きAIカメラを取り付けた塔12本を設置している。
カメラはインド軍が国境地帯で使用しているものに匹敵する性能となっている。

具体的には、線路から100フィート以内でゾウが検出されると、森林局および鉄道局の職員に警報が送信され、衝突を防ぐために列車の速度を落とし、また線路近く設けられた4名の職員が常駐する制御室を中心に、ゾウを遠ざける作業が行われる。
森林局の職員によると、2月に開始したプロジェクトには、7,240万ルピーの費用が投じられた。

国内では野生動物保護のため、これまでにも各地でAI技術が活用されている。
鉄道省によれば、複数の州にわたるゾウの回廊に「ガジラージ(Gajraj)」と呼ばれるAIベースの監視システムを導入、技術的な介入により、列車との衝突事故は減少傾向に転じている。

ガボン、ケニア、ボツワナなどのアフリカ諸国でも、AIカメラシステムを活用したゾウの保護活動が実施されている。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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