持続可能な建築材料は「原点回帰」がカギ

 

Posted on 14 May 2024 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

画像は「Studio Roots and Basics」より。



国連環境計画(United Nations Environment Programme)によると、建設業界は地球温暖化の主な原因に数え上げられている温室効果ガスの最大の発生源とされている。

酷暑期のプネーで、誰もがエアコンのスイッチに手を伸ばす中、建築家のロハン・ナハール(Rohan Nahar)氏は、自身の手がける建物は時代を逆行するかのように、エアコンが不要なばかりか、扇風機すらあまり要らないと主張している。

Made with ‘brown gold’, this Pune office didn’t need ACs and used fans only 3 hours a day during extreme heat

同氏の建築事務所「Studio Roots and Basics」では、敷地内で調達した泥、建設廃棄物、石灰などを原料に、素手で建物を建設している。

同氏はマハーラーシュトラ州パンチガニ(Panchgani)のエコビレッジ、同ジャルガオン(Jalgaon)県ブサワル(Bhusaval)の気候対応型建築、ケーララ州の泥の家などを手がけている。
近年は、敷地内で入手できる天然素材を使うことで、建設作業に伴う二酸化炭素排出量を削減するための同氏の建築技術に海外からの注目も集まり、スペイン、ポルトガル、アメリカからも依頼が舞い込む。
ナハール氏は自身の主な建設材である泥を「茶色の金」と呼ぶ。

同氏によれば、泥を使った建築は世界中の大部分で伝統的な工法でもあり、講演や出版を通じて知識の共有を試みている。
ナハール氏は、「建築の基本原則は、自然光と換気を欠かさないことである。木陰では心地よいのに、家の中に入ると不快に感じる場合、何かが間違えているとみなすべきだ」と語り、3つの柱として環境の持続可能性、経済的持続可能性 (その建物に住む人々が維持でき、建設を行う労働者が経済的安定を維持できる代替材料を使用)、そして社会的持続可能性(特に現地の請負業者や労働者に機会を創出)を挙げている。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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