駐印メキシコ大使の公用車は、特注の「あの車種」

 

Posted on 07 Apr 2016 23:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

言っちゃ悪いけど、こういったセンスというか発想自体、わが日本国の駐印外交官には皆無ではないでしょうか。



新しく赴任した在デリー・メキシコ大使が、公用車として風変わりな「車種」を選択したことで、話題を呼んでいる。

Mexican ambassador uses auto-rickshaw as her official vehicle in India

メルバ・プリア(Melba Pria)駐印メキシコ大使は、おしゃれにペイントした白いオートリクシャー(トゥクトゥク、オート三輪)に外交官用ナンバープレートを取り付けて、公用車としてデリー市内を疾走している。

プリア大使はオートリクシャーを選んだ理由を、「(CNGガスを燃料としているので)低公害であり、またコンパクトなので最も効率的な輸送手段だから」としている。
真っ白に塗った特注の車体には、訪印していたメキシコ人アーティスト、センコエ(Senkoe)氏が大使のためにカラースプレーで描いた愛らしい花々が、モチーフとなっている。

「街を走る時、誰もがびっくりしたような顔をして振り返るのが、見ていて楽しいわ。メキシコの芸術を楽しくアピールできているかしら。安全性?何億人ものインド国民が日常で乗っているんでしょう、私が乗ることに、何か(安全面の)差があるのかしら?」プリア大使。
実際、デリーっ子たちからの反応は上々で、大使のご機嫌も上々だ。

この前代未聞の「公用オートリクシャー」、さすがに運転は、大使館職員から正式な運転手が任命された。
先月から会合や式典への出席に大活躍しているという。

世界最悪の大気汚染として悪名高いデリーで、プリア大使は、標高の高さによる気圧低下もあり、同じく大気汚染が深刻なメキシコシティでの事例をもと、対策の必要性を訴えている。
公務時間外には、1日50キロを自転車で走る。

ただし若干の不便もあるようだ。
中央政府の建物の中には、オートリクシャーの乗り入れを許可していないものも多く、最近では国会議事堂に乗り付けられず、やむなく手前で降り徒歩で向かう大使の姿があったという。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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