プネーの学者ら、困難な太陽の観測に成功か

 

Posted on 02 May 2024 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh

写真はいつかの、マハーラーシュトラ州アコラ(Akola)ほど近くの田舎道です。



プネーの国立電波天体物理学センター(National Centre for Radio Astrophysics、NCRA)の研究者が率いる太陽物理学者チームは、南アフリカのカルー砂漠にあるMeerKAT電波望遠鏡を使用して太陽を観測、かすかな特徴も網羅した、非常に詳細な太陽の電波画像を作成した。

Indian scientists make exceptionally detailed radio images of Sun using MeerKAT

タタ基礎研究所(Tata Institute of Fundamental Research)との共同研究で、チームを率いたデヴォジョーティー・カンサバニク(Dr Devojyoti Kansabanik)博士は最近、米ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のNASAジャック・エディ博士研究員に就任、スーラジ・モンダル博士(Dr Surajit Mondal)は現在、米ニュージャージー工科大学太陽地球研究センターの博士研究員を務めている。

太陽は地球上で最も明るい天体であり、大昔から研究されてきたにもかかわらず、依然として多くの解明されていない謎がある。
研究の筆頭著者であるカンサバニク博士によれば、太陽は特に電波の波長において、研究が非常に困難である。
すなわち「電波放射は太陽の希薄な大気から発生する。この部分はコロナ呼ばれ、皆既日食の時のみ肉眼で見ることができる。コロナは、地球環境に影響を及ぼす、宇宙天気と呼ばれる現象の発生源である」と説明している。

博士によれば、まずその発光が時間の経過とともに非常にめまぐるしく変化することに加え、ある波長から近くの波長まで劇的に変化する可能性がある。
太陽の場合、高速で走行する車がぼやけて見えるのと同じように、画像がぼやけてしまう。
これをはっきり捉えるには、高いフレームレートで撮影するだけでなく、太陽大気で何が起こっているかを示す詳細な画像を、無数の波長に対して取得する必要がある。

研究者らは、望遠鏡を直接向けられないため、周辺視野を用いて物体を見る手法で観測した。
一方で、忠実度の高い画像の作成のため、機器と周辺視野の両方の影響を推定し、正確に補正するアルゴリズムを開発した。
最終的に画像をシミュレーションと比較したところ、優れた類似点を見いだすことに成功した。

これにより、詳細な太陽画像の取得が可能となり、太陽物理学の新たな研究への扉を開くと期待されている。

MeerKATは、半径8キロメートルに分散配置した直径13.5メートルの電波受信アンテナ64個で構成、ギガヘルツ周波数で高忠実度の太陽分光画像やスナップショット画像を作成するのに最も適した望遠鏡とされている。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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