トランスジェンダーたちも政治参加を、と訴えるプネーの女性
Posted on 04 Apr 2024 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh
確かに、建て前だけで終わってしまえば、意味がないよね。
インド全土一斉選挙を前に、プネーでは有権者であるトランスジェンダーたちに、投票所に足を運んでもらおうという働きかけが行われている。
Pune’s 700 registered transgender voters get ready to vote despite being denied basic rights
トランス女性のショナリさんは、18歳になってから一度も投票を棄権していない。
プネー県に登録されている選挙人名簿では、ショナリさんはトランスジェンダーとなっている。
ショナリさんは含め、県内にはおよそ700名がトランスジェンダーとして登録されている。
「憲法には『インド国民である』と書かれている私たちには、国民として投票する権利があるはずです」とショナリさんは話す。
一方、地域社会では、政治の世界から閉め出されていると感じる。
そこでショナリさんは他のトランスジェンダーたちに、投票に行くよう働きかけながら、政治の監視を続けている。
「特に若い世代は、選挙プロセスに疑念を抱いています。トランスジェンダーを気にかける人なんていないのに、なぜ投票しなければならないのかと言うのが、その理由です」
そんなショナリさんが投票を続ける唯一の理由は、インドの憲法と民主的プロセスに対する信頼があるからこそだ。
トランスジェンダーが選挙に無関心なのは、社会から無視されることが当たり前として過ごしてきた歴史があるからであるとショナリさん。
最高裁判所により「第三の性」を認める判決、「NALSAR」から10年が経ったが、一般の人々は依然として基本的権利の享受を求め闘っていると感じる。
グジャラート州トランスジェンダー福祉委員会(Gujarat Transgender Welfare Board)のメンバーであるアクルティ・パテル(Akruti Patel)氏も、ショナリさんに同意する。
「判決から10年が経った今でも、トランスジェンダーの方たちが信号待ちで物乞いをしていたり、性風俗に従事していたりするのを目にする。教育でも仕事でも居場所がない状態が続いている」と語るパテル氏は、委員の一員としてこの問題を州政府に訴えたが、何も成果は得られなかった。
マハーラーシュトラ州選挙管理委員会(Maharashtra State Election Commission)と、Bindu Queer Rights Foundation、そしてYutak Charitable Trustなどのプネーに本部を置くNGO団体らは、キャンペーンや個人の支援活動を通じ、トランスジェンダーをトランスジェンダーとしての有権者として登録する取り組みを行ってきた。
その中で、ある活動家はトランスジェンダー自身が、トランスジェンダーとして有権者IDを取得するための法的書手続きを躊躇する例を相次いで経験し、さまざまな理由で多くのトランスジェンダーが政治に関心を持てないでいることを知った。
多くのトランスジェンダーたちが、合法的にトランスジェンダーとしての身分証明書を取得した場合に、相続などをはじめ、市民としての権利や法律がどのように適用されるのか不安なため、有権者IDを出生時の性別のままにしていることも分かっている。
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Yoko Deshmukh
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インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
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