寝台車で子供が転落、父親の訴えから20分で必要な支援を届けたインド鉄道
Posted on 03 Apr 2016 23:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh
あんなところから落っこちたんでは、お父さんはかなり心配で、焦っていたことでしょう。
*Photo of Second Class Sleeper coach, from a copyright-free space
1日に2300万人、年間推定84億人が利用する(Wikipedia)、世界最大規模の大量輸送システム、インド鉄道。
しかし年々施設は老朽化し、利用者からの苦情が絶えない現状がある。
インド鉄道側もこれを受けて、前例に捉われない迅速な対応に最大限、努力しているようだ。
それにしても、これだけ大量の人を輸送し、かつ近代化の遅れた前時代的な交通機関が、たったひとりの旅行者の声に耳を傾け、およそ20分以内に現場に到達して問題を解決できたのは、やはりインターネットの力の凄まじさによるものも大きいだろう。
昨日付のNDTVが、その顛末を報じていた。
A Desperate Father On Train Tweeted Suresh Prabhu. Help In 20 Minutes
先月31日、デリーから北端の州、ジャンムー・カシミールにある有名なヒンドゥ寺院の門前町、カトラ(Katra Railway Colony)に向かっていた家族連れの父親が、寝台車の上段から6歳の小さな息子が誤って転落してしまい、大怪我を負ったので至急、救急物資を送って欲しいという緊急メッセージを、鉄道省(@RailMinIndia)と鉄道大臣(@sureshpprabhu)のツイッター(Twitter)アカウントに宛てて発信した。
すると、鉄道省アカウントの「中の人」と思われる担当者から、ただちに父親に携帯電話番号を訊ねる返信があり、続いて走行中の列車が次に到着する予定となっていたルディアナ(Ludhiana)駅で、必要な支援をすると約束した。
それから数時間後、父親からは再びツイッターで、迅速な支援を感謝する投稿を、鉄道省と鉄道大臣に宛てて送信した。
これは一刻を争う緊急事態だったが、このほかにも2月には、娘が迷子になったという乗客のツイートに鉄道職員が動き、無事に見つけ出したほか、車椅子や、変わりどころではミルクの要望にも、インド鉄道からの柔軟な対応事例があった。
多くを求めなければ、願いはたいてい聞き入れられる。
インドで学んだことのひとつを、ふと思わされる事件だった。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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