成長率8パーセント維持のための絶対条件とは

 

Posted on 27 Oct 2023 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

わざわざ報告書ださなくても分かるよねって話じゃないかい。



バークレイズ(Barclays)による最新の報告書によると、インドのGDP成長率8パーセントを確保するためには、労働生産性の向上、特に女性の労働力増加が前提条件となっている。

India will manage 8% growth by 2030 if more women join workforce, says report

「India's breakout moment」と題された報告書では、2030年までに創出される新たな労働力の半分以上を女性が占めることを条件として、8パーセントのGDP成長率を達成できると述べている。
報告書ではまた、若い世代を最大限に活用するため、スキルアップによる労働生産性の向上を目指すよう提言する。

現時点で国内の女性の労働参加率(FLFPR)は37パーセントにとどまるが、2030年までに43.4パーセントまで引き上げる必要がある。
数にして、推定およそ1億800万人の労働力増加のうち、およそ5,500万人(約50パーセント)を女性が占めなければならないことを意味する。
報告書では、現在、女性労働者1人あたりの男性労働者は2.2人だが、2030年には1.9人になると予想する。

さらに報告書は、より多くの女性を労働力に参加させること以外に、非農業分野の仕事の成長を加速し、余剰労働力の雇用を確保することの重要性、雇用を正規化する必要性にも言及する。

特に建設、卸売、小売り、製造、不動産、専門サービス、金融サービスなどのセクターは、今後ますます拡大する労働力を吸収するだけの可能性が見込まれる。
こうした雇用の創出とは別に、労働生産性を向上させ、正規部門の雇用をより多く生み出すためには、新興技術や資本集約型部門における教育と技能訓練に重点を置く必要があるとし、インドの労働市場は農業からのシフトだけでなく、労働生産性の向上を通じてもGDPに占める割合を高めることができると報告書は指摘している。

また、ハードインフラや伝統産業への投資は、労働生産性を大幅に向上、生産、資本、労働の両方の要素の効率も高める可能性、および化学、輸送機器、金属、通信、ビジネスサービスなどのセクターがより多くの雇用を生み出し、労働分配率を向上させる可能性があると示唆した。

報告書はまた、インドの教育制度において科学、技術、工学、数学(STEM)に焦点が絞られている点にも着目、「製造業での能力構築を目指しているため、IT部門や技術職での雇用可能性を高める余地について、特に半導体、炭化水素、EVバッテリー、防衛、気候変動技術などの産業がその恩恵を受けるだろうと予測する。

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About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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