今年の釜山国際映画祭にもバングラデシュ作品が続々

 

Posted on 11 Oct 2023 21:00 in エンターテインメント by Yoko Deshmukh

画像は「The Stranger」の一幕です。



2023年の釜山国際映画祭でも複数のバングラデシュ映画が上映されるという話題を見つけた。

Bangladesh’s Booming Presence at Busan Points to Against-the-Odds Industry Emergence: ‘Superheroes Don’t Need to Come From North America’

バングラデシュ作品は、2012年に上映されたモストファ・サルワール・ファルーキ(Mostofa Sarwar Farooki)監督の「Television」を皮切りに、毎年同映画祭では常連となっている。

ファルーキ監督の最新作「Something Like an Autobiography」は、Jiseok部門にノミネートされている。
ビプロブ・サーカー(Biplob Sarkar)監督の長編デビュー作、「The Stranger」と、イクバル・チョードリー(Iqbal H. Chowdhury)監督の「The Wrestlers」はNew Currents部門にノミネートされている。
APMにはロビウル・アラム・ロビ(Robiul Alam Robi)の「Suraiya」が選ばれた。

バングラデシュ発のいずれの最新作も現地の精神に根ざした普遍的なテーマを特徴する。
「Something Like an Autobiography」では、著名人に対する社会的・政治的圧力と並行する妊娠というテーマを扱っている。
「The Wrestlers」はスポーツ、誇り、そして気候変動を、「The Stranger」は家族関係とセクシュアリティの問題を、「Suraiya」では言語、コミュニケーション、移民を、それぞれテーマとする。

南アジアはインドという映画製作大国からの多大な影響が避けられず、バングラデシュでは独自の切り口での作品が生まれるまでに紆余曲折があった。
ファルーキ監督は、「若い国であるバングラデシュには、映画産業の遺産と呼ぶべきものがないからこそ、それを築きたいという思いで作品に向き合っている。映画のスタイルや表現に関しては長らく、巨大な隣国(インド)の陰に隠れてきた。2000年以降、新しい世代の映画製作者、作家、詩人が登場し、映画をはじめとする芸術を通じて自分たちの声を届けたいという強い願望を示すようになり、これが我が国の映画産業の発展に貢献してきた。これを波と呼ぶにはまだ浅いが、確実にそこに到達しつつある」と語った。

ファルーキ監督によると、バングラデシュにおける映画産業はまだ初期段階で、大衆娯楽系から独立系まで、そしてストリーミングから劇場上映まで、独自のスタイルとアイデンティティを模索している。
一方、そうした自国作品を支持する観客はもちろん、新進の映画製作者のセンスを高く評価し、またこうした国産映画の世界中への売り込みに奔走する業界仲間たちに感謝する。

チョードリー監督は、「根強い『植民地政策』の影響を引きずってきた世界中の映画業界が多様性を重視するようになってきていることから、バングラデシュ作品にチャンスが巡ってくるのも時間の問題だ。スーパーヒーローが必ずしも北米出身である必要はないのだから。」と語る。

一方、課題として、独立系作品のエコシステムや、国家的な映画政策の欠如、そして他のアジア地域でも見られるような検閲などが挙げられる。

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Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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