ハイデラバードの医師グループ、胎児の心臓外科手術に成功

 

Posted on 06 Nov 2014 13:40 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

現代は、胎児の命を救うために、こんな手術もできてしまうのですね。



ハイデラバードの医師らが先月30日、国内で初めて、深刻な疾患を抱えた胎児の心臓外科手術に成功したことを発表した。
奇しくも「世界胎児デー(World Foetus Day)」とされる10月31日を目前とした発表に、インドの医療関係者はもとより、各種メディアが大いに讃えた。
NDTVはじめ複数メディアが報道した。
 
手術を担当したハイデラバードの「ケア・ホスピタル(Care Hospital)」の執刀医師によると、胎児は妊娠週数25週目から26週目あたりで、左心室に深刻な損傷が見つかり、しかも悪化を続けていると診断された。
具体的には心臓の左側が小さすぎ、出生後の外科手術が不可能であると判断されたため、「胎児大動脈弁切開術(foetal aortic valvotomy)」と呼ばれる極めて特殊な手術を行うことを決断した。
 
手術には12名の専門医療チームが立ち会った。
26週目には胎児の位置が悪く手術が失敗に終わったため、27週目まで待ち、母体と胎児の双方に麻酔をかけた上で、特殊な針が母親の腹部から子宮、そして胎児の胸を貫通して左心室に到達、特殊バルーンとワイヤーを用いて閉塞した心臓弁を拡張するという、非常に難しい手術となった。
 
手術からわずか2週間後、赤ちゃんの体重は830グラムから1200グラムにまで成長、血液漏れなどの異常なく心臓は正常に脈を打っているという。
ただし医師によれば、99%あった閉塞が60%に減ったに過ぎないことから、再発を防ぐためにも予後の観察は欠かせないと説明している。
 
胎児の両親は、今回の手術成功を心から喜び、赤ちゃんを腕に抱く日を心待ちにしている。

(Photo courtesy: NDTV)






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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