インド初、トランスジェンダーのためのモデル事務所がオーディション参加者を募集

 

Posted on 12 Feb 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

自分の魅力を発見できるだけでなく、認められたら、誰だってうれしい。いろいろ大変なインドなんか飛び越えて、いっそ世界デビューして欲しいぐらい、すてきな第一歩です。



*The photo from The Better India

ASKSiddhi(アスクスィッディ)を運営して、かれこれ13年、インドのポジティブな面、みんながあまり知らない面を、なるべく発掘して、記録しておきたいわたし。
さいきん特に好んで取り上げたくなる話題は、トランスジェンダーに関するものと、おそらく「インド本土」と呼ばれるような地域とは、本来は文化的に異なる地域や文化に属すると考えられる、北東インドに関するものだ。

多様性の代名詞となっているインドだが、それは民族的、宗教的、文化的な面ではそうかもしれないが、人々の価値観、特にプネのような、インド中部の半端な都市に住むローカルなインド人たちの多くについて、物事の捉え方や受け止め方は、意外と固定的で保守的なところがあり、異文化に対する理解と想像力が欠けているように感じる。
比較的突っ込んだ質問などをしても、自らの日常生活に関わりのあることを超えた事柄については、あまり考えないことにしているのか、考える習慣がないのか、あまり議論にならないか、または極端な「善悪」や「白黒」で分けたがる人が多い。

わたしが、このような話題にことのほか心が惹きつけられるのも、きっと、その反動なのだろう。
首都デリーで、トランスジェンダーたちによる、トランスジェンダーたちのためのモデル事務所が開業準備を進めていることを、「Your Story」が報じた。

このモデル事務所は、トランスジェンダーらの権利保護のために活動するルドラニ・チェットリ(Rudrani Chettri)さんらが運営する支援団体、「Mitr Trust」が中心となって開業に向けて動いている。

自身もトランスジェンダーであるチェットリさんは、モデル事務所の設立背景について「多くが、せっかくの美貌に恵まれた自分の容姿に自信を持てずに生きてきた。(美貌であるか否かに関わらず、容姿に関して自信がなかったのは)私自身もそうだった」と話し、トランスジェンダーたちの魅力を最大限に引き出すため、第一線で活躍する著名ファッションスタイリストやカメラマンの力を借り、主要ファッション誌への掲載写真の撮影準備に邁進している。

チェットリさんはまた、「Mitr Trust」を通じて昨年から、イギリスの映画製作チームと協力し、インド社会に受け入れられることを悲願としてきた「ヒジュラー(Hijra、姿は男性ながら心は女性として生まれてきた人々で、差別に苦しむ人が多い)」たちの日々を密着取材したドキュメンタリーを撮影している。
この映画の製作・公開にかかる費用は、「Bitgiving.com」でクラウドファンディングしている。

事務所が採用するモデルたちのオーディションは、「ヒジュラー」はもちろん、あらゆるトランスジェンダーを対象に、現在5名を募集しており、プロの写真撮影などの費用もクラウドファンディングで募っている。

トランスジェンダーたちは、根強い差別により仕事の機会が非常に狭く、困窮した生活を強いられる傾向にあった。

The Better Indiaでは本日付で、オーディションの経過など続編の記事も公開している。
掲載されているモデルたちの写真は、どれも生き生きとしていて美しい。
インドの大部分の人たちが、肩の力を抜いて自然に、すなわち真の意味で多様性を受け入れる度量を持てるようになるまでに、あとどのぐらいかかるのかな。
 


チェットリさん。オレンジ色のドレスがとてもお似合い






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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