※インド人同士なのに日本人っぽい名刺交換、ちょっとほっこり
プネにはかねてから、テンドゥルカル美智子さんという方が個人で運営されている、主に日本語書籍を集めた図書館があって、日本語の活字に飢えている在住日本人はもちろん、日本語を勉強している人たちに長年重宝されてきた。
この図書館の蔵書は、美智子さんが日本への一時帰国の度に、ご自身で買い集められた珠玉のインド関連本のほか、プネに赴任していた日本人駐在員さんたちが本帰国の際、持ち込んでいだ日本語の書籍を寄贈したりして、軽く1万冊を超えていたという。
利用者は1名あたり年額1200ルピーの利用料を支払えば、1回あたり4冊ずつを2週間借りられる。
ただし個人宅の一室を丸々解放していたことから、本当にすさまじい奉仕だと思う。
そしてこの度、プネに2番目の日本語の図書館が開設されたということで、本日はそのオープニング・イベントにお邪魔してきた。
書籍はプネ大学に本拠を置く、科学系研究のプラットフォームを提供するインキュベート施設、「Science and Technology Park, Pune」が所有していたものを、インドと日本との間のビジネス促進を目的に設立されたNGO団体、印日ビジネス・カウンシル(Indo-Japan Business Council)が、同団体の所有する施設を図書館スペースとして提供することで、受託管理している。
この図書館は、現時点で2万7000冊あまりを有する。
日本企業や日本向けに通訳や翻訳をはじめ様々なサービスを提供する「ジャパン・ミトラ(Japan Mitra)」という会社を経営され、プネの日本語教育界の重鎮的な存在であるシュリカント・アトレ(Shrikant Atre)さんという方が中心となり、何年もかけてようやく実現した事業だ。
プネに住む日本人駐在員や日本語教師などの日本人はもちろん、日本語を勉強している人々や日本との取引のある会社に勤める人々が集い、賑わったオープニング・セレモニーには、ムンバイの日本総領事館から伊藤嘉章(いとう よしあき)総領事も招かれ、テープカットが行われた。
蔵書をざっと見てみたが、子供向けの絵本や童話から、小説、果ては少年ジャンプまで幅広く、おそらくこれらも、日本人駐在員が寄贈していったものがほとんどを占めると想像される。
日本語の上手な若いインド人女性が司書を務め、たったひとりで懸命に仕分けをしていた。
気になる会員登録の方法や利用料金だが、こういう事情もあり、なにせ蔵書の3分の2近くが仕分けを待ち、建物3階部分の2部屋を占めてうずたかく積まれたままの状態のため、まだ決まっていないようで、当分は館内での読書に限った利用になりそうだ。
ただ、一緒にイベントに参加した友人とも話していたのだが、この機会にプネ在住の日本人駐在員に呼び掛けて、日本から購読している雑誌を読み終えたら、1~2カ月遅れでもよいから定期的に寄付してもらえば、この図書館で日本の最新情報にも触れる機会が提供できるようになるのではないか。
末永く愛される図書館として成長して欲しいと願う。
図書館の場所は、こちら。
Growth Lab(地図)
Seasons Rd, Baner Chs, Aundh, Pune, Maharashtra 411007
参考 テンドゥルカル美智子さんが運営する図書館
Centre for Japanese Studies
"Samadhan" 1243/1 Apte road, Pune - 411004, Maharashtra
(だいたいこのあたりで「Michiko Tendulkar Library」を訊ねて探してみてください)
アトレさんの人望で大盛況
サリーを着ている女性が司書の方