きれいになった町をブルーで統一:アッサム州のゴアールパーラ

 

Posted on 07 Feb 2016 23:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

同じインドの中でも、救いようのないほどの汚さにまみれた町もあれば、みんなで一致団結して、きれいにしている町もあるんだな。



*The photo of Goalpara from The Better India, where the article is referenced.
 

アッサム州は、インド北東部7州のうちのひとつであり、ブータンの真下に国境を接している独特の文化を持った土地だ。

北にヒマラヤ山脈を、南西にデカン高原を擁する高低差の大きい土地柄、洪水が起きやすく、また南部の平野部に湿度が溜まるため、州内各地での寒暖の差が大きいようだ。
お茶の生産に適している気候というのもうなずける。

そして州都であるグワハティは、近年急速に発展していると言い、北東インドやブータン観光の拠点・中継点として、訪れたことのある人も多いのではないだろうか。
わたしにとっては、まだ訪れたことのない憧れの場所だ。

そのアッサム州は大河ブラフマプートラ(Brahmaputra)南岸に接し、1875年に大英帝国によって開発された同州で2番目の中堅都市で、その街並みの美しさが知られるゴアールパーラ(Goalpara)で、美観を一層整えるため、清掃活動と合わせて商店の外壁の色をブルーに統一しようという試みが行われている。
2月7日付「The Better India」が伝えた。

もともと、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が提唱する清掃ミッション、「スワッチャ・バーラト(Swachh Bharat)」に共鳴し、スブラマニアム(Subramanyam)行政副長官の呼びかけによって、清掃要員の雇用を2倍に増やし、また毎日午前7時から午後2時までを「清掃タイム」に指定するなどして町の徹底的な清掃作戦が実施されてきた。
清掃要員には、制服やレインコート、ジャケット、ヘルメット、ゴム長靴、軍手などの支給に加え、事故保険や健康保険への加入体制も整えた。

その仕上げとして、コンピューター・ハードウェア店を営むビマル・スーラナ(Bimal Surana)さんが提案し、きれいになった街並みを一層引き立てようと、店舗外壁をブルーのペイントで統一する試みを2014年12月より実施、現在2,000店舗以上の外壁がブルーにペイントされているという。

さらに町の中心部にある170店舗以上の商店で、店外にゴミ箱を設置するとともに、商店主自身が少なくとも週に1度は市場全体の清掃に参加、また側溝には蓋が整備され、定期的に清掃、街路樹の植樹も進んでいる。

清掃活動には市民、公務員、学生らも参加、道路標識も正しい表示のものを掲示、街灯は消費電力の少ないナトリウムランプや、CFL、LEDなどに付け替える作業も行われている。  
毎朝、行政副長官自らが散歩がてら、街の状態を見て回っているという徹底ぶりだ。

ゴアールパーラの市政担当職員によれば、かつてこの町も、インドの他都市と変わらない荒れた都市景観と、開発の遅れが目立っていたようだ。
この町に実際に行って見たわけではないものの、同じようなことがなぜ、インドの他の場所ではできないのだろうかと、いつも歯がゆく感じてしまうと同時に、「やればできるはず」という希望も抱かせてくれる話題だった。
 


アッサム州の州都グワハティの街並み(from a copyright-free space)






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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