暴れる覚せい剤常習者と格闘、見事勝利したムンバイの勇気ある女性

 

Posted on 04 Feb 2016 23:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

もはや人間扱いできなくなってしまうのですね。



*The photo from The Better India, where the article is referenced.

日本の有名な元プロ野球選手が覚せい剤所持の容疑で逮捕されたというニュースが、ネット中を駆け巡っていたが、ムンバイでは3日、覚せい剤常習者と見られる男性が、ムンバイ・ローカル(ムンバイ中心部と郊外部を結ぶ列車)に乗り込み、女性の乗客に暴力行為を働いていたところを、腕一本で取り押さえたすごい女性が話題になっていた。
The Better India」が、手に汗握る、その一大ハッスルを書き綴っている。

サンギータ(Sangeeta)さんというこの女性は今月3日、いつものように自分の用事のためにムンバイ・ローカルのセカンド・クラスに乗り込んだところ、隣接するファースト・クラスのコンパートメントの方向から突如、女性の悲鳴と男の怒声が聞こえてきた。
ムンバイ・ローカルでは、天井から床まで一定間隔で平行に走るスチール棒が、1つの車両内をセカンド・クラスとファースト・クラスに区切っている。

サンギータさんはすぐさま、ファースト・クラスとの境界にあたる、この仕切り棒に駆けつけると、騒然とした空気の中、男が女性乗客の髪の毛を掴んで振り回し、ついには床に引き倒して、あろうことか着衣を引き裂こうとしているところを目撃した。 
男の顔は醜く歪み、重度の麻薬中毒者であることが一目で分かるほどだったという。

当然、車内では別の乗客らが男を止めようと必死に格闘したが、力が強く、また非常停止チェーンを引いても役に立たない。
じりじりと追い詰められた女性が、セカンド・クラスとの仕切り棒のところまで逃げてきたところで、執拗に追ってきた男に服を引きちぎられそうになった瞬間・・・

実は空手の国体選手であるサンギータさん、この機を逃すまじと、棒の隙間から素早く手を差し入れ、まずは男の髪をひっ掴み、続いて胸倉のあたりで締め上げ瞬間的に窒息状態にした。
男がひるんだところでへ乗客がすかさずドゥパタ(一般にインド女性が着る、ゆったりしたツーピースのパンジャービー・ドレスにコーディネートする長いスカーフ)を投げ、男の体は瞬く間に、棒に固定された。
やがて列車はアンデーリー(Andheri)に到着、待ち構えていた鉄道警察によって男は拘束された。

空手だけでなく、カバッディ(Kabbadi)という力技のスポーツでも国体選手となっている、スポーツ・ウーマンのサンギータさん、腕に大怪我を負ってまで飛び込んだ勇気に、鉄道警察が彼女の勇気を称えたことは言うまでもない。


ムンバイ・ローカルの、ファースト・クラスとセカンド・クラスを区切る仕切り棒






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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