ジャールカンドの名もなき町からニッポンへ:高校生の挑戦まもなく
Posted on 16 Jan 2016 21:00 in インド科学技術 by Yoko Deshmukh
ビジネスよりも何よりも、まずは人との感情の繋がりが、インド、日本と世界とを結ぶきっかけになると思います。
*The image of Jharkand, the picture is from a copyright-free space.
本日付で配信された「The Better India」に「Japan」の文字が躍っていたので気になりチェックしてみると、名もなきジャールカンド州の町から2名の少女・少年が、5月に国立研究開発法人科学技術振興機構(東京都千代田区)という国家機関が運営する「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(Japan-Asia Youth Exchange Program in Science)」、別名「さくらサイエンスプラン(SAKURA Exchange Program in Science)」の研修プログラムに、主にアジア各国の学生とともに招聘されることになったというニュースだった。
2人のうち、15歳のプシュパ・クマリ(Pushpa Kumari)さんは、「バアル・アムリタ(Baal Amrit)」と名付けた安価なベビーフードを開発、昨年12月にIIT(インド工科大学)デリー校で開催された、若い才能発掘を目的としたイノベーション・コンテスト、「INSPIRE」で発表し、高く評価された。
小麦、落花生、大豆、バジル、ヨウ素添加塩などを原料に、必須ビタミンやミネラル、栄養素を含み、かつ1キロ59ルピーという手頃な価格で入手できる。
現在、インド人材開発省(Human Resource Development Department)などの協力を得て、商品化に向けた試験が行なわれている。
バンドゥ(Bundu)という農村に暮らすクマリさんの父は貧しい労働者で、クマリさん自身も11歳まで学校に通えなかったという。
もうひとりのインド人学生、16歳のアニル・スィン(Anil Singh)さんは、石炭の一大生産地であるインドにおいて、採掘し尽くして用済みとなった鉱山に粉塵を埋め、大気汚染を最小限にとどめる仕組みを発表、前述の「INSPIRE」コンテストで受賞した。
アニルさんの父は農家で、「わしも、専業主婦の妻も、息子がやっとることは、よう分からんが、外国でしっかり勉強して、この国のために尽くして欲しいのう」というようなことを語っている。
こうした話題が記事になることに、微笑ましさを覚える。
「さくらサイエンスプラン」のホームページを見てみると、2人が参加することになると思われるハイスクール・プログラムの2015年の模様が掲載されており、何だかとっても楽しそうだ。
たくさん学び、世界各国の学生と切磋琢磨し、一生の思い出をインドに持ち帰って、今後一層活躍して欲しいと、老婆心ながら強く願った次第だ。
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Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
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