チェンナイ洪水で、137年の伝統と権威ある新聞までも休刊に

 

Posted on 03 Dec 2015 10:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh

日系企業も多く集まるチェンナイで大洪水が続いています。



*The photo from BBC News, where the article is referenced.

インド西部では深刻な水不足に見舞われている中、大都市チェンナイを含む南部のタミル・ナードゥ州では、100年に一度という断続的な豪雨にともなう大規模な洪水被害が発生、多くの死傷者が発生しているほか、学校も11月17日から休校状態となるなど、異常事態が続いている。

そうした中、インドで最も伝統ある新聞のひとつで、チェンナイに本社があり国内17州に読者を持つ「ザ・ヒンドゥ(The Hindu)」が今月3日、記者をはじめとする社員が出社できないとして、創刊以来初めて休刊という事態に追い込まれたことを、英BBCウェブ版の記事が報じていて衝撃を受けた。

同紙は1878年の創刊以来137年間、1日も休刊したことがなかった。

同紙の関係者によると、激しい豪雨により、ついに1日夜、チェンナイ空港の滑走路と駐機場まで水没、航空便が欠航しているほか、市内の主要道路はほぼ全て冠水、また列車の欠便も相次いでいる。
さらに大規模な停電により数百万人の生活に影響が出ている中で、広大な敷地を要する同社の印刷所は郊外部にあるが当然アクセスが不可能となった上、仮に印刷できたとしても、その新聞を読者に届ける手段がないという。

チェンナイは2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震にともない沿岸部を襲ったインド洋大津波でも、大きな被害を受けている。

やむを得ない事情としても、新聞が創刊以来初めて休刊するという事態を招いてしまったことで、関係者は大いなる悔恨の念に責められてしまうのではないだろうか。
1日も早くチェンナイが日常に戻ることを、心から祈っている。






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



Share it with


User Comments