農業法改悪、農村をいったん離れた若者たちも立ち上がる

 

Posted on 14 Mar 2021 21:00 in インドの政治 by Yoko Deshmukh

最も尊重されなければならない人々を、冷たい海に放り込むような仕打ちです。



2020年9月に改訂されたインド農業法(Indian Agriculture Acts)に対する農民たちの抗議は、今年1月26日の共和国記念日に首都デリー中心部への抗議行進がテレビ中継され世界中に衝撃を与えた。
よりよい暮らしを求めて都市に出た者を含めて、分野を超えて若者を中心に賛同者が膨らみ、農業従事者の置かれている立場への関心が高まっている。

Questions of identity simmer with farmers’ stir

働き者の農家に寄り添うメッセージは、ミュージシャンのアジャイ・フッダ(Ajay Huda)氏のハルヤーニー・ソング、「Zindabad Kisani, Zindabad Jawani」が有名だ。



 

また、同じく農家の闘いを歌ったこちらのパンジャービー・ソングは、ビジュアルやリズムが分かりやすいかもしれない。



 

農家の言い分は、これまで特に小麦などに対して保証されていた「最低価格(minimum support prices、MSP)」が机上の空論となり、生活が立ち行かなくなるリスクがあるということだ。
「corporate farming」、つまり農業の完全商業化が現実のものとなれば、農家の生殺与奪が企業の手に握られてしまうことを恐れている。
既存の種苗や肥料業者の仕事が奪われてしまうのではないかと懸念する声もある。

しかも命がけの抗議は首相以下、完全に無視されている。

ある農業従事者は、「企業は最初の数年こそ農家にインセンティブを支払うかもしれないが、ほとぼりが冷めれば本来の目的でえある自社の利益を最優先にするはずだ。その後の動向は予測できない。今回の法律は、政府が今後、農業をバックアップしないという示唆と取っている」と嘆き、別の人も「農家による3か月の抗議運動に対し、現与党BJP(インド人民党)はその本質を剥き出しにした。年長者が口癖のように、(BJPを)『sarmayedaron ki party(資本主義者の党)』と言っていたことにもっと耳を傾けるべきだった。支持したことを後悔している」と言っている。

記事では、メッセージを広げる手段として古くから用いられてきた「khap(村の会議)」が再び脚光を浴びていること、かつて誰も見向きもしなかった「batai(小作用地)」に注目し、農業を継ごうとする若者が出てきていること、「腹が減っては祈りもできぬ(khali pet na hot bhajan gopala)」と、いわゆる「テンプル・ポリティクス(Temple politics: 1992年にウッタル・プラデーシュ州アヨーディヤーのバーブリー・マスジドがヒンドゥー原理主義者により焼き討ちされたことを発端に、全国に飛び火する暴動に発展した事件をもとに、宗教的感情に訴え断絶を煽るような選挙運動や統治手法など)と、BJPの国粋主義的な計略に振り回されていることに人々が目を覚まし始めたことなどが要約されていた。

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なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。

=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※3月5日付けのメール、件名「全日空(ANA)による成田ムンバイ間の臨時便運航」

【ポイント】
●全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブルに基づく便として、4月10日、4月24日に成田発ムンバイ行、4月11日、4月25日にムンバイ発成田行の臨時便を運航することとなりました。
●ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
●こちらの便は航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能です。
●なお、日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討される場合は、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。また、インド政府の外国人の入国に関するガイドラインに御留意願います。

在留邦人の皆様へ

 全日空(ANA)による成田ムンバイ間の臨時便が運航されることになりましたところ,お知らせします。なお、本件照会については、ANAお問い合わせ先までご連絡いただければ幸甚です。

1 全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブル(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としてインド政府が実施している国際定期旅客航空便の飛来禁止措置の例外措置)に基づく便として、4月10日、4月24日に成田発ムンバイ行、4月11日、4月25日にムンバイ発成田行の臨時便を運航することとなりました。

2 ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。なお、空席状況確認や航空券の予約・購入方法等はANAウェブサイトをご確認ください。詳しくは、ANAにお問い合わせください。
(ANAウェブサイト)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/

(ANAお問い合わせ先)
ANAムンバイ支店予約担当:bomrsvn@ana.co.jp(営業時間<インド時間>:9:00-18:00)
※英語/日本語での受付となります。
※上記の臨時運航便以外についてのお問い合わせ先は以下の通りです。
電話:     (インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
        (インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料

3 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、インド政府よりインド到着旅客に関する情報の提出が義務付けられています。ANAによれば、インドへの航空券を予約・購入された方は、出発の48時間前までに、必ずANAムンバイ支店予約担当に渡航に際し必要な情報の連絡が必要となるため、以下のANAからのお知らせを必ずご確認ください、とのことです。
(ANAからのお知らせ:各地域への入国条件変更/インドへ渡航のお客様へ)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/notice200501/#immigration

4 日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討されている邦人の皆様におかれては、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。
(新型コロナウイルス感染症に関する皆様へのお願い:当館ホームページ)
https://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/20200929_Coronavirus_j.pdf
また、以下のインド内務省入国管理局ホームページに、現在入国できる査証カテゴリーや査証取得手続き、事前の自己申告フォーム等の提出、入国後の自主隔離等、外国人の入国に関するインド政府のガイドラインが掲載されていますので御留意願います。
(インド内務省入国管理局ホームページ該当部分)
https://boi.gov.in/content/advisory-travel-and-visa-restrictions-related-covid-19-1

(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
=== 転載終わり ==


☆本日の1曲☆

 






About the author

Yoko Deshmukh   (日本語 | English)         
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。

ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.



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