*Photo and the original article from
Better India
プネで、スラムの子供たちに、ひょんなきっかけから勉強を教えるようになり、今では60名あまりの子供たちを対象に「青空教室」を運営している男性についての話題が、「The Better India」に掲載されていた。
とある多国籍企業に技術者として勤務している40歳のニティン・ジャラフェ(Nitin Jarafe)さんは、貧しさから学校に行かせてもらえないばかりか、路上での物乞いを強いられている子供たちを集めて、毎日2時間の補講と、学業に必要な文具類を提供している。
さらに子供たちの意欲を高めるため、授業後には、子供たちが何より楽しみにしている、できたての温かいドーサ、イドリー、ワダ(いずれも米と豆の粉を原料とした南インドの料理)といった軽食を提供し、学業を続けることの大切さを、楽しみながら体感させている。
ニティンさんが面倒を見ている子供たちは当初、NGO団体「Awakening Jagriti」が保護者らに働きかけ、近隣の公立学校に通わせていたが、放課後になると待ちかねた大人たちから物乞いを含めた「仕事」を強いられていた。
そこで、子供たちが楽しいと思え、自発的に出席するような「放課後補講教室」の運営を、資金不足のNGOに代わってニティンさんが引き受けることになった。
今年の4月、ニティンさんが引き受けると間もなく、土曜日のみ授業後、お腹を空かせた子供たちに果物やスナック類を配布していた。
やがて子供たちが食べ物を目当てに一層勉学に励むことを知ったニティンさんは、勤務先の同僚に働きかけ、自身の懐からも寄付をして5万5000ルピーあまりの資金を集め、スラム近くの南インド料理店と提携して、1年中休みなく授業後の軽食を提供しはじめた。
おかげで、脱落する子供が激減し、かつ勉強を望む子供の数も急増したという。
ニティンさんは現在、自身の個人的な人脈も駆使して、プネ市内2カ所のスラムの子供たちのために青空教室を運営、子供たちの勉学をサポートしている。
「これはほんの始まりに過ぎない。まずは貧困のために勉学を断念する子供たちを少しでも減らしたい。もちろん、子供たちを笑顔にする、おいしい軽食を作ってくれる店も随時探している」
プネに住むわたしも、信号待ちの交差点や歩道などで、スラムの人々と「物を乞われる」という形で出会うことが多いが、今のわたしにできることは、「無視をせず、言葉や態度で相手の目を見て『できません』と言う」、「できるところでは寄付などをする」ことだけだ。
ニティンさんのような方々の活動には、ただただ頭が上がらない。