プリヤ、今度はマスクで武装してインドのコロナに立ち向かう
Posted on 12 Dec 2020 21:00 in インドあれこれ by Yoko Deshmukh
コミックもアニメも、絵が愛らしく、一目で好きになりました。
インド初の女性コミックヒロイン、プリヤ(Priya)が帰って来た。
BBCが詳細を伝えていた。
Masked Indian comic superhero fights Covid-19 fear - BBC News
プリヤは集団レイプ被害者のひとりとして、強姦、アシッドアタック(酸攻撃)、性的人身売買の撲滅に立ち向かってきたが、今回は新型コロナウイルス感染症(Covid-19)パンデミックにまつわり大規模かつ急速に増殖するフェイクニュース、いわゆる「インフォデミック(Infodemic)」と戦うために戻って来た。
今月2日から配信が開始された「プリヤのマスク(Priya's Mask)」では、プリヤがもうひとりのスーパーヒロインで、5年ほど前にASKSiddhi(アスクスィッディ)でもご紹介したことのあるパキスタンの人気コミック「ブルカ・アヴェンジャー(Burka Avenger)」のキャラクター、ジヤ(Jiya)と手を組んでいる点にも注目だ。
「ブルカ・アベンジャー」、インドでも放送開始 Posted on 21 Apr 2015
インドは世界で2番目に新型コロナ症例数が多く、感染者数1,000万人、死者は14万人に迫る。
今年3月21日から、全土で厳格なロックダウンが強行されたが、感染の拡大を遅らせただけで、制限が緩和され次第、急速な拡大が続いている。
そうした中、新型コロナウイルスに関し、科学的根拠おない民間療法説や、肉や卵などの摂取を避けるよう呼び掛ける禁忌説、また起源説や陰謀説など、誤った情報や誤解を招く情報が、光の速さで拡散していることも大きな問題となっている。
また、医療従事者など最前線で働く人々に対する攻撃や差別など、決してあってはならない行動も多くの場面で観察されている。
「プリヤ」コミックシリーズの作者は、インド系アメリカ人のラーム・デヴィネーニ(Ram Devineni)氏。
デリーを走るバスの中で若い女性が残忍な集団レイプ犯に殺害される凄惨な事件が発生して2年後の2014年12月、「現代のフェミニスト・スーパーヒーロー」としてプリヤを世に送り出した。
このシリーズはその後、国連女性機関(UN Women)により「ジェンダー平等性のチャンピオン(gender equality champion)」と名付けられた。
「プリヤのマスク」の中で、プリヤは空飛ぶメスのトラ、サハス(ヒンディー語で「勇気」)に乗り、「史上かつてないウイルスという、見えない怪物」と戦う。
行く先々でプリヤが目にするのは、工場やオフィス、輸送機関も閉鎖され、生活の糧も移動手段も突然奪われたことで、数百キロ離れた家に何日もかけ徒歩で帰る何万人もの貧しい労働者、誰とも会うことも話すこともできず家に閉じ込められ、孤独と対面する人々、そしてひとたびロックダウンが緩和されると、「ニューノーマル」とされる日常に一歩踏み出し、マスクや社会的距離を保ちながら活動を再開する人々、そして、かつて行列ができていた、お気に入りのアイスクリーム店に、誰も並ぶ人がいない風景、そして母親をはじめとする医療従事者が、勇敢に「見えない敵」と戦う光景だ。
コミックでは、プリヤはジヤと手を組み、マスクを着用せずウイルスを拡散しようとする悪の枢軸、ババ・カブーム(Baba Kaboom)と戦い、またババ・カブーム自身がウイルスに感染した時には、力を合わせて助け、「思いやりの気持ちを大切にし、人間であることをあきらめずに世界を見つめる」ことが、ウイルスとの戦いに欠かせないというメッセージを発信する。
アニメ版では、ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)、ヴィディア・バラン(Vidya Balan)、ムルナル・タクール(Mrunal Thakur)、サイラ・カビール(Sairah Kabir)をはじめとする、ボリウッドとハリウッドを代表するフェミニストたちが声優を担当している。
また全世界で無料ダウンロードできるコミック版は、拡張現実(AR)機能を楽しめるようになっている。
Priya's Mask — Priya's Shakti
わたしにとっても、長く辛いロックダウンを経た今、プリヤの見てきたものと自分の体験したことの多くがシンクロし、ひとりじゃないのだなと胸がいっぱいになる。
本日最も読まれている記事
1 購入後半年で故障したフォッシルのスマートウォッチを巡る、意外な顛末 16 Sep 2019
2 プネーの野良くんたちに手を差し伸べるなら、この方法 08 Dec 2017
3 成田空港から周辺の宿泊施設への移動手段について注意すべきこと速報 08 Dec 2020
4 インド人の平均寿命と、女性の伸び率鈍化 01 Oct 2019
5 マハーラーシュトラ州でのワクチン接種優先順位は 10 Dec 2020
-----
なお、現状に何ら役立つ情報をご提供できていない「ASKSiddhi(アスクスィッディ)」なので、せめて「在ムンバイ日本国総領事館」より日々発信されている州内の状況や州政府による措置に関する最新情報を、今後はこちらにも転載させていただきたい。
=== 以下、同掲題メールの転載 ===
※11月6日付けのメール、件名「全日空(ANA)による成田発ムンバイ着臨時便の運航」
●全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブルに基づく便として、11月28日に成田発ムンバイ行の臨時便を運航することとなりました。なお、今回は成田発ムンバイ行のみ旅客便として運航するため、ムンバイ発成田行きの旅客便の運航はしないとのことです。
●ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
●今回から、航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能となっています。
●なお、日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討される場合は、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。また、インド政府の外国人の入国に関するガイドラインに御留意願います。
在留邦人の皆様へ
全日空(ANA)による成田発ムンバイ着臨時便が運航されることになりましたところ,お知らせします。なお、本件照会については、今までと同様に当館お問い合わせ先(在ムンバイ日本国総領事館、電話: (91-22)2351-7101,
email:ryoji@by.mofa.go.jp)までご連絡いただければ幸甚です。
1 全日空(ANA)では、インド航空当局の許可を取得することを前提に、インド政府が設定したエア・バブル(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としてインド政府が実施している国際定期旅客航空便の飛来禁止措置の例外措置)に基づく便として、11月28日に成田発ムンバイ行の臨時便を運航することとなりました。なお、今回は成田発ムンバイ行のみ旅客便として運航するため、ムンバイ発成田行きの旅客便の運航はしないとのことです。
2 ANAによれば、同便の予約受付・販売は既に開始しているとのことです。
なお、今回から、航空会社のウェブサイトでの予約受付・航空券購入が可能となっています。
空席状況、航空券の予約・購入方法等については、ANAウェブサイトをご確認ください。詳しくは、ANAにお問い合わせください。
(ANAウェブサイト)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/
(ANAお問い合わせ先)
ANAムンバイ支店予約担当:bomrsvn@ana.co.jp(営業時間<インド時間>:9:00-18:00)
※英語/日本語での受付となります。
※上記の臨時運航便以外についてのお問い合わせ先は以下の通りです。
電話: (インド国内)000800-100-9274 ※24時間対応 ※通話無料
(インド国外)+81-3-4332-6868 ※24時間対応 ※有料
3 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、インド政府よりインド到着旅客に関する情報の提出が義務付けられています。ANAによれば、インドへの航空券を予約・購入された方は、出発の48時間前までに、必ずANAムンバイ支店予約担当に渡航に際し必要な情報の連絡が必要となるため、以下のANAからのお知らせを必ずご確認ください、とのことです。
(ANAからのお知らせ:各地域への入国条件変更/インドへ渡航のお客様へ)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/notice200501/#immigration
4 日本外務省はインドについて「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」の感染症危険情報を発出しています。インドへの渡航を検討されている邦人の皆様におかれては、インドにおける感染状況を踏まえ、渡航の必要性や時期について慎重に御検討ください。
(新型コロナウイルス感染症に関する皆様へのお願い:当館ホームページ)
https://www.in.emb-japan.go.jp/PDF/20200929_Coronavirus_j.pdf
また、以下のインド内務省入国管理局ホームページに、現在入国できる査証カテゴリーや査証取得手続き、事前の自己申告フォーム等の提出、入国後の自主隔離等、外国人の入国に関するインド政府のガイドラインが掲載されていますので御留意願います。
(インド内務省入国管理局ホームページ該当部分)
https://boi.gov.in/content/advisory-travel-and-visa-restrictions-related-covid-19-1
(各種情報が入手できるサイト)
インド政府広報局ホームページ
https://pib.gov.in/indexd.aspx
インド保健・家庭福祉省公式ツイッター
https://twitter.com/MoHFW_INDIA
インド入国管理局ホームページ
https://boi.gov.in/
在日インド大使館ホームページ
https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html
外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/
厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
首相官邸ホームページ:新型コロナウイルス感染症に備えて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
=== 転載終わり ==
☆本日の1曲☆
About the author
|
|
Yoko Deshmukh
(日本語 | English)
インド・プネ在住歴10年以上の英日・日英フリーランス翻訳者、デシュムク陽子(Yoko Deshmukh)が運営しています。2003年9月30日からインドのプネに住んでいます。
ASKSiddhi is run by Yoko Deshmukh, a native Japanese freelance English - Japanese - English translator who lives in Pune since 30th September 2003.
|
User Comments