「株式会社リゲッタ」は、この上ない今というタイミングで、インド進出をお考えだ。
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「株式会社リゲッタ」とインドとの、運命的な出会い:前編 Posted on 11 Dec 2019
本社のある大阪市生野区は軽工業地帯でもあり、歴史ある関西らしい碁盤の目状の整然とした街並みに沿って、実に様々な中小工場、いわゆる町工場が建っている。
そして、どんな規模の工場にも働く人々の気配があり、活気を帯びている。
株式会社リゲッタは、この生野区でゴムやソール材等の加工、縫製などの1足の靴づくりに関わる工程を、それぞれ専門に操業する町工場、実に400社あまりをつないで依頼し、密に連携することで、独自デザインの靴を作っている「メイドイン大阪(ほぼ※)100%」の、とても珍しい会社なのだと、株式会社リゲッタの取締役副社長を務める日吉慶三郎(ひよし・けいざぶろう)さんは説明してくださった。
※部品の3%ほどを、パートナー企業の所在する台湾で製造しているという。
同社の大会議室は、イベント開催も積極的に行っており来客もウェルカムなオープンスペースになっており、そこに生野区の拡大地図が貼ってあり、関わりのある無数の工場がピンで示してあった(冒頭写真)。
製作や製造にかかわる人々すべてを仲間とみなし、大切にされていることが伝わる。
高度経済成長期を経たのちに世界で最も豊かになった日本が、いったん外に出してしまった製造業。
しかし、元来モノづくりは日本人の得意とするところでもあった。
そのDNAの持つ底力を信じ、完全オリジナルな「履き物」というニッチな分野で日本製、「メイドインジャパン」を、国内はもちろんのこと、中東やシンガポール、タイおよび東南アジア地域をはじめとする全世界に、力強く発信している。
日吉さんの社長メッセージ(旧株式会社リゲッタカヌーより)
なお、現在の社屋から直線距離で2~3キロほどのところにあり、JR、私鉄、地下鉄の交差する交通の便の良さと、とても楽しい韓国人街コリアタウンが有名で、訪れる人も多い鶴橋駅前に建つ廃校予定の小学校があり、これを同社が新オフィスとして借り上げる予定がある。
生野区でも少子高齢化が急速に進んでおり、今後数年以内にこちらを含めて8校ほどの小学校が、児童数の激減から残念ながら廃校に追い込まれる運命なのだという。
そうした背景による危機感も、同社がこの地を決して離れることなく、この街に根差した製造を続けている理由なのかもしれない。
「観光客もよく訪れる、そんな場所に『けったいな靴』作ってる会社があってもいい」とは日吉さん談。
同社の製造する商品は、デザインも履き心地も考え尽くされ、1点ずつがオリジナリティにあふれたフットウェアだ。
インド人消費者はかなり幅広い層で構成されているが、例えば同社商品の中心ターゲットと考えられるミドルクラス以上の所得層でも、まだ日本人消費者ほど洗練されていないので、株式会社リゲッタの商品が持つ素晴らしい「メッセージ性」を、どこまで受け止めきれるかは未知数である。
しかし、特にSNSやTikTokなどでの発信に余念のない若年世代については、「他人とは違う」、「他人が持っていない」モノを所有することによる承認欲求は、おそらく日本の同世代の消費者よりも貪欲だと思う。
値段が多少高くても、いや高いからこそ、価値があると考えてくれるかもしれない。
大阪の街を歩く人々の服装は、福岡や東京よりも心なしかカラフルに見え、リゲッタのシューズも色展開が豊富で目にも楽しい。
そうした華やかなものを好む美的センスも、インド人と通じている。
株式会社リゲッタのおかげで、わたしは再び祖国の可能性を信じ、希望を持ち続けたいと思えるようになっている。
余談だが、当たり前だが大阪の人たちは、どこへ行ってもみな大阪弁を話しているのだが、2カ月間、株式会社リゲッタにインターンとしてお世話になったRちゃんも否定形の語尾に「~へん」が混じるようになっていて、とてもとてもおもしろい。

設計・制作室か。
しかし肝心の職人さんである高本(たかもと)社長は、
寒くてもアウトドアなバックヤードで作業されることの方が多そう(同社ブログ参)。

心斎橋のアーケード街からほど近い、1号店(南船場店)。
まもなく生野区内にフラッグシップ店舗もオープン予定。

このお店では、Rちゃん(右端)も販売体験をさせていただいたという。
在庫も豊富なので、リゲッタカヌー好きはぜひ訪れたい。
むしろ聖地である。
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